この週末にサントリーが、ARA/アラキドン酸のTV-CMを結構な投下量で流していました。

内容はDHA/ドコサヘキサエン酸、ARA/アラキドン酸などは、物忘れ防止やボケ防止に機能する一つの要素であると説明しています。脳の海馬に必要な物質の一つというグラフィクスも流れています。


通常ならば、ボケ防止に効果がある!なんてTVで言えるのは医薬品、医薬部外品、一部の特別保健用食品などの厚生労働省の認可のものだけです。


特にボケ防止なんて医薬品レベルですよね。


しかし、サントリーの物質研究認知広告だけで、商品の宣伝は行っていないのです。

しかも、詳しくはネットで、って検索窓でアラキドン酸を入力し検索している様子が流れています。

結構長い15秒?いや20秒あったかな?スポットだったように思いますが。


当然、サントリーといえば、サプリメントでセサミンとグルコサミンが有名です。ところが薬事の関連でアラキドン酸を含有するサプリメントはその場で販売は出来ません。


WEBで検索すると、とりあえずサントリーのサイトがSEOでトップに出てきて、上位10位にオーがニック検索で出てきます。

独自性があるために他のサイトは出てきません。

2位にウィキペディアが出てきますが、おそらくこれもサントリー社員か電通など広告代理店が登録やメンテを行っている可能性が高いでしょう。


クリックするとボケ防止イメージは一切謳ってないのですが、「あれ?誰だったかしら?」の宣伝でのキーワードと商品の価格が書き込まれたサイトが漸く出現しています。


実はこれだけではありません。産経新聞の3月1日の数独やクロスワードの15段の裏面の15段にTVと同じくアラキドン酸の認知広告特集が組まれています。ここでも商品は販売しておりません。

余談ですが何故、産経新聞なのかというと実家がこの新聞を取っているので確認できたのが産経新聞だけだからですが・・・。


話を元に戻して・・・・、


つまり、アラキドン酸の名前を認知させ、刷り込み、アラキドン酸が何に効果があるかを想起させて別のフェーズで販売を行うというクロスメディアと薬事関連の回避テクニックが盛り込まれた次世代型広告を実践しています。


実はサントリーは最近色々な広告手法を実験しているようで、所ジョージのジョッキ生もサントリーなのかどこなのかメーカーを分からなくして、印象付け、ボトルのアップの画像だけでサントリーと書いてあるだけのTVーCMを流しています。


車や家電品などの耐久財は、TVで広告することが売れ行きにつながりにくいことから広告宣伝は縮小の憂き目にあってますが、食品や清涼飲料水などはTV-CMがリニアにレスポンスするため、このような宣伝テストを行っているのでしょう。


しかし、全国紙(まあサンケイの部数は少ない)が読者が非常に高齢で、しかも高齢者のボケ防止用紙面である数独ページの裏面15段はどう見積もっても費用は800万程度掛かりますし、読売、朝日に15段を打つとそれだけで3,000万、TVでのスポットは数億掛かります。


WEBはさすがにSEMだと意図が反映されるので薬事に抵触しますが、オーガニックSEOで上位に出るのは、恣意的でないため、非常に逃げ道が仕込まれています。


しかし、新たな広告手法のベンチマーク指標を手に入れたり実験するのにはやはりお金がないと不可能です。

全国の単品通販の方々はさぞかしうらやましい限りだと思います。