少し前にKPI(Key Performance Indicater)という英文字三文字がビジネスインテリジェンスの主流を占めました。なぜ過去完了形になっているかというと、経営ダッシュボードとしてさらに簡略化して意思決定できるパラメーターに集約するという流れとなってきました。
はぁ~っ。
いつも分析業務の入口は、管理会計上の損益効率表の作成を行っており、その際、判断する指標としてKPIを策定し、そのKPIによりビジネスシミュレーションまで行えるようにすることにより、データマイニングの投入変数や目的変数が決定づけられるという手法が、これまで行ってきたコンサルティングの私のプロセスでした。
そっ、それが経営ダッシュボードでもっと簡略化せよ?!って?
アホな経営者が増えたものですねえ。そんなビジネス構造を簡略化できるわけないですよ。
簡単なパラメーターでこの複雑な世の中の兆しを捉えることができ、経営者が的確な意思決定を行えるならば、コンピューターに意志決定させればよいのです。
営業業務や現場業務は人間でなければできない業務が大半を占めますが、日々の算出で簡略化された経営ダッシュボードで判断できるのならば、IT技術やニューラルネットワークに過去の経営者の意思決定実績を投入すれば少なくとも成功した経営者の意思決定ができるはずですよね。
つまり機械が意思決定し、人間は機械の指示通りに営業を行い、ステイタスの流れを機会にデータ投入し、趨勢で機械が判断する。そんな世界ですよ。
意思決定に必要なのは対策であり、それは人間でないとできない?って?
簡略化されたパラメーターで判断される内容は不確実要素が大きく、機械が順列組み合わせを計算するのと、人間が判断するのとでは、予測達成制度は変わらないのではないかと思いますけど。
少なくとも複雑なビジネス構造を把握し、判断するのには簡略された指標だけでは無理なんですよ。
ダッシュボードとは車のコクピットのパネルのことです。スピード、タコ、オイル警告、空燃費、水温、燃料、あとは車特有の警告ランプです。
車の構造を知っている人は例えばオイルの温度が上昇する事象について仮説を持っています。つまり構造を把握しています。いくつかの対策を行い、事象が沈静化した場合何が悪いのかを特定できます。仮説を立てながら運転を続け、走り続けることができます。
しかし素人は、ランプがついたらマニュアル本を確認し、マニュアルにすぐに運転をやめてエンジンを切り、直ちにメーカー或いはメカニカルセンターに連絡して指示を仰いでください!と書いてあれば従うしかないのですよ。こんなのがダッシュボードですわ。
コンピューターが制御し、人間の粗雑な運転を知らない間にカバーするため、運転がうまくなった気になってしまう。最近の車はそうです。しかし、警告灯が点灯するまで全く予兆に気がつかず、いざ点灯してしまうと危機回避のために何をすれば良いか分らないのです。
車の運転をやめる=経営を直ちにストップして専門家の指示を仰いでください。あはは。マニュアルには書いてありますよ。
そんなもん、あり得るか? つまり素人経営者が判断できないから警告灯が点灯したら、経営をストップするんだってよ。
素人経営者が増えたんですねえ。便利になるっていうことはそういうこと。
アフォか!!!!! 少なくとも構造を勉強して把握し、五感を研ぎ澄ませて経営に当たらんかい!
胡麻を擦って、すり鉢を五個以上も使い分けて成り上がった素人経営者。
きっと誰かが
「KPIは複雑でわからん!もっと理解しやすく簡略化された指標で表してくれよ!」
って会議で怒鳴ったんだろうね・・・・。