服部ユキ
『添田さんー。 今日の打合せで何回も「空き地に旗を立てる」って
説明してたじゃないですか?あれって、どういう事なんです?』
添田真人
『ああ、よく「俯瞰で眺めてみると全体像が把握できる」って言うでしょ? 自分の立ち位置と、攻めるべき場所の状況が良く見えるという事なんだけどね』
服部ユキ
『はい、聞いたことあります。』
添田真人
『≪空き地に旗を立てる≫っていうのは、
「誰も住んでいない空き地ならば、いの一番に自分の旗を立て
そこに住んでしまえ!」って言う話。』
服部ユキ
『かなり強引な話ですね(笑)』
添田真人
『ははは、たしかにね。本当にやったらつかまるけども。
ビジネスも全体を俯瞰で観察すると、
ぽっかりと空き地が見つかったりするんだよ。』
服部ユキ
『なるほどー。空き地ってことは、攻め入る隙間って事ですか?』
添田真人
『そうだけども、もっと簡単に表現すると…
不足している部分 って事かな。』
服部ユキ
『不足している?』
添田真人
『そう、大型書店なのに洋書コーナーが無かったリ
八百屋、肉屋、魚屋と充実した商店街なのに
なぜだか就職の米屋が無かったり。』
服部ユキ
『あ! ありますあります、そういうの!
それでワザワザ、魚お米だけ買いに別の所に行ったりして…
本当に不便で、腹がたつんですよね…』
添田真人
『そういうことだよ。
空き地というのは≪足りない部分≫なんだね。
足りなければ、補うだけでいい。
それで立派にビジネスが成立するんだよ。
自分が扱いたいものに執着するのもいいけども
こんな視点からもマーケティングは切り崩していけるんだよ』
服部ユキ
『なるほどー。 空き地に旗を立てるってことは
≪足りないものを、補うビジネス≫を展開するってことですかね。』
添田真人
『はい、正解。
じゃぁ、次の問題ね。
たとえば…、ほら今走ってるこの道路
中古自動車屋さんが乱立してるでしょ? この理由はわかるよね?』
服部ユキ
『あえて競合が多いところに出店する。同じような店が増えることで
車を探しているお客さんも集まりやすくなる…って事ですよね。』
添田真人
『そうだね。 さらには、競争原理が働くから
車の価格が安くなったり、サービスが良くなったりと
お客様にとっては良い状況になっていくんだけど…
ユキちゃんだったら、ここで商売するとしたら何をする?』
服部ユキ
『え? ここでですか…?』
つづく