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芥川賞が百五十回を迎え、今月発売の『文芸春秋』が小山田浩子の受賞作「穴」の掲載とともに「記念大特集」を 組む一方、『文学界』も分厚い記念特別号と銘打ち、誌面の大部分を芥川賞関係に割いている。芥川賞がその長い歴史を通じて果たしてきた巨大な役割について は言うまでもないが、この機会に文学賞について二、三、常々思っていたことを記しておきたい。

 第一に賞は受賞者のものであるとともに、ある意味では選考委員のものである。ある作品が受賞するに当たっては評価が行われ、理由が選評で詳しく説 明されるが、選考委員が誰によってどのように選ばれているかについては、一般の人たちは何も知らないのではないか。第二に、芥川賞の栄光が高まれば高まる ほど、この賞を受賞 しなかった重要 な作家たちの存在感も高まるということ。太宰治 の昔から、村上春樹、よしもとばなな、高橋源一郎にいたるまで、受賞しな かった作家 の系譜は日本文学のもう一つの輝かしい系譜を成している。第三に芥川賞は本来、新人 賞であるにもかかわらず、日本で一番有名 な文学賞であり、普 段純文学に縁のない多くの人々には「一番えらい賞」だと思われているが、これは一種の倒錯だろう。なお、日本のように「新人賞」が盛んに行われ、文芸産業 の制度となっている国は世界でもあまり例がない。