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車いすの建築デザイナーの男性がこの夏、パラリンピック発祥の地英国など欧州を訪ねる。付き添うのは、五十 年前の東京パラリンピックで通訳ボランティアを務めた女性建築家。六年後の二〇二〇年東京五輪パラリンピックに向け、誰もが暮らしやすい街にするには、 どうしたらいいか。それを肌で感じる旅だ。 (上條憲也)

 「どこも建物に工夫がこらしてある。カフェでは障害のある人も普通に働いているのよ」

 東京西早稲田にある建築事務所「ベーストロノーツ」。デザイナーの丹羽太一さん(47)は、左手以外の四肢が不自由だ。今月下旬から約二週間、訪れる欧州のバリアフリーの様子を同行する吉田紗栄子(さえこ)さん(71)=練馬区=が説明していた。

 まず北欧三カ国を回る。障害者のグループホームを訪ね、日本なら寝たきりの重度障害者が不自由なく暮らす家にも寄る。

 最終目的地は英国ロンドン郊外のストークマンデビル病院。第二次大戦の戦傷者のリハビリとして、故グットマン博士がスポーツを取り入れた。一病院の運動大会が発展し、一九六〇年のローマ五輪から世界的身障者大会になった。

 「病院の運営や構造がどうなっているか見たい。建物デザインは学ぶことがたくさんありそう」。丹羽さんの期待は膨らむ。

 丹羽さんは十二年前、原因不明 の病で倒れ、車いす生活となった。建築士を目指し、早大研究室でスタッフとして働いていた時だ。

 「自分が使えない建物じゃ困る」。建築中心 のデザイナーとして独立し、車いす利用者の視点で自宅を含め三軒をデザインした。一方で、理想とする生活を実現できる社会は、まだまだだと感じる。