お久しぶりです。
皆様お元気でお過ごしでしょう?
私は義理の母を亡くしたり、実母の認知が進んだりとなかなか思うような日々を送れずにいます。
が、皆が何時かは通る道となんとか生き残っています(笑)
がん検診で肺がん(MRIの結果炎症と判断される)乳がんの疑いがありますます気が滅入っていたところ、先日置き引きの被害に遭い、運転免許証、マイナンバーカード、スマホ、クレカ、等個人情報全て入っていた鞄を失い、警察にか駆け込んだ次第です。
アヤナの父ではないが、本当に死を覚悟しました。
落ち込んでいますが、以前書いてあった最終話アップさせて頂きます。
日本は変わった。
こんな片田舎でも、亡くした物は帰ってきません。
皆様も気お付けてください。
登場人物
ミホ(24歳)コールセンター派遣社員だが退職
アヤナ(24歳)中学校教師
アヤナ母(56歳)中学校教頭、校長試験を控えている
アヤナ父(57歳)中学校教師、生徒の母親との不倫が発覚
タツヤ(55歳)ミホの父親、地方公務員
サキヨ(55歳)ミホの母親、タツヤと同僚だったが、結婚を期に専業主婦になる
あらすじ
一方的に不倫相手から別れを告げられ、根拠のないプライドを失ったアヤナ父は自死を選び、成し遂げてしまう。その事実を知らない二人は、動画サイトで知った同世代らしき女性が発信してる南国を、躍起になってなんとか特定し、二人で彼女を尋ねる算段をしていたのだが?はたして二人の思いは届くのか?
最終話 冷たい雨
何時、えーっと。
眠い目をこすりながらベッド上の時計を見ると針は2時14分を指す。
心は奇妙なざわざわか感で上手く息が出来ないアヤナは思い切って、さっきから唸り続ける自身のスマホをようやく手に取ると。
「はい。」
「○○アヤナさんの携帯で間違いないでしょうか?」
よそよそしい声に少し戸惑いながらもアヤナは答える。
「どちら様でしょうか?」
「こちらは○○警察の者ですが、貴方のお父様の事でお電話致しました。お母様にも連絡を取ったのですが、電話に出ていただけなくて。」
不倫男だが、いくら何でも警察に厄介になるような父ではないはず!
鼓膜まで達するような早鐘が唸る様に響く。
「同僚の教師の方がお父様が学校に来られないのを不信に思い、心配され、家にいかれたんですが、応答が無くしかも鍵が掛っていまして、家に入れないとこちら(地元警察)に連絡が入り、その方と一緒に庭の方に回ると、窓の鍵が施錠されてなく、中に入り…。浴室で倒れていたのを発見し…救急車を手配したのですが、残念ながら、既にこと切れていたようで。」
電話口の警察官であろう人物はさすがに言葉に詰まっていた。
「お仕事もお有りだと思いますが、お母様に連絡が取れないとなっている今の状況ではアヤナ様にお父様の身元確認をお願いしなくてはいけくなっています?」
あの父親がまさか自害するとは到底思えない。
アヤナは電話口の主を信じることが出来ない。
が、どうやら相手はかなり焦っているようでありがとうご。
「分かりました。これからそちらに向かいますが、友人に連絡いれてから向かってもよろしいですか?、それと、母は二つ携帯を持っていて、一つは父の携帯にも入っている番号、もう一つは私や近しい親族のみ知っている番号。一応そちらを教えます。」
「ありがとうございます。助かります。では、署でお待ちいたしております。受付にお名前を仰っていただければ、分かる様にしておきますので、よろしくお願い致します。」
時計の針は2時40分は過ぎていただろうか。
急いでアヤナはミホの携帯を鳴らし事情を説明した。
「きっと人違いよ。アヤナのお父さんが自死なんて私も考えられない。だってとっても元気な方じゃない。大丈夫よ、きっと同僚の先生がアヤナん家の住所、間違えたんじゃない。」
ミホの記憶の中、アヤナの父親はいつも大きな声で話し、いかにも教員らしく身なりもきちんとしていてとてもじゃないが、自死なんて信じられなかったのだ。
長い、それはトンネルを彷彿させる薄暗い廊下の先に「霊安室」があった。
警官に促され中に足を踏みいれると、意外にも母の姿がアヤナの目に映った。
黙って、母は大きな骸の顔に掛っている白い布を剥がす。
そこにはアヤナが知っていた父の顔があった。
今にも「元気だったか?」話しかけてくるように、少し微笑んでいるように見えなくもない。
「あの人が教師になってからずっと仲良かった、中村さんって方がいてね、たまたま同時期に同じ学校に赴任してきたのよ。普段から頻繁に連絡とっていた間柄で、あの人が学校に来ないって、おかしいって直ぐに気が付いて警察に連絡とって一緒に家に入ったら、あの人がお風呂場の浴槽に張っていたお湯が真っ赤だった。その横で息絶えていたあの人を見つけてくれたらしいの。」
「あの人って。」
アヤナは思わず心の声を口にしていた。
「ごめんなさい、貴方にとってはお父さんよね、ともかく、中村さんが気が付いて家に入ってくれたから、お父さん早めに見つかったの。後でお礼に一緒に行かないとね。」
「うん、分かった。これからの事、葬儀とか終わってからよね?でも、どうしてこんな事お父さんがしたのか、お母さん、分かる?」
「想像もつかなかったけど、お父さんの女性関係含や色々と考える事あってね、別れてくださいって手紙だけ置いて、出ていったのは事実。」
「そうだったの、けど、お母さん自分を責めちゃいけないと思う。」
「そういってくれると少し気持ちが楽になるわ。」
二人は警察で色々と聞かれ疲労困憊になりながらもなんとか切り抜けた。
事が事だけに近親者のみで葬儀が行われ無事に荼毘にふせ、先祖の眠る墓石に父は入った。
ミホやミホの両親に、葬儀に参列したいと懇願されたが、アヤナと母は丁寧に断った。
一連の流れが無事終わり、アヤナと母親は父親を見つけてくれた中村の家にお礼を込めて、話を伺いに行ったがそこで思わぬ真相を聞く事になるとは…。
中村はとても優し気な面立ちだったがそれとは真逆に真相は闇深い。
「彼と僕は同期で何かと気が合い、時間があれば語り合う仲でした。彼が不倫話をでっち上げられ、教頭試験に不合格になった時も相談に乗り、二人で教育委員会へ行き、直談判したのが昨日の事のように思い出されます。が、取り合ってもらえず…。どうやら、かなりの大物に恨みをかっていたようで?誓ってもいいです。奥さん、アヤナさん、彼は絶対に不倫なんてしていなかった。」
「でも、私、中年の女性と父はホテルに入っていくの見たんですが?」
すかさず、アヤナが言うと。
「その話も知っています、彼女(中年女性)は同居する男性に暴力をふるわれていた。しかも、彼の生徒にあたる、義理の娘にも手をあげる始末。相談のっている中関係を持ってしまった。後悔していると言っていました。」
アヤナは腑に落ちなかったが、母親は違っていた。
「そうだったんですか、でも、なんで、私に教えてくれなかったのか、理解出来ません。」
「その点も想像出来ます。当時奥様の教頭試験が近かった、心配させたくはないっと言っていました。」
「そうだったんですか。お話を伺って分かりました。彼はあまりに優しすぎたんですね。」
「奥さんのご理解を得られ、彼も安心していると信じています。アヤナさん、貴方のお父さんは決していい加減な方では無い!むしろその逆であまりに純粋過ぎた。その結果、貴方とお母さんに誤解を生んだ、不器用な人だったんですよ。」
知らぬ間に、アヤナの頬に一滴涙が流れていた。
二人共気持ちが晴れ中村の家を後にしたが、それとは裏腹に雲行きが怪しくなっていき何時しか冷たい雨がコンクリートを打っていた。
それは、父親の涙にも見えた。
母親と別れ、アヤナは急いで自宅に帰ると早速ミホに電話した。
すると、2コールでミホの焦ったような声が聞こえた。
どうだった、大丈夫っと、同時に意外な話を始める。
「やすらぎ(ミホが勤めていた健康食品会社)のパワハラ上司小林から連絡があって、今度、やすらぎで本格的にクレーマー対策の部署作るからそこのチーフとして戻って来てくれないかって打診されたのよ。」
あまりにも意外で驚きを隠せないアヤナだったが、冷静を装い答える。
「良かったじゃない。私達の年齢でチーフなんて凄い出世じゃない。受けるべきよ。」
「うん、それだけじゃ無いの。準備に明日から来てくれないか?皆待ってるんだって言って来てさ。」
既に涙声になっているミホは続けて言う。
「最後の日、私がやすらぎ出ていった日、皆で反省会したんだって。どうやら無視されていたんじゃないかって思ったのは私の勝手な思い込みだったみたい。そうして、新しい部署クレーマー対策部を作るアイデアがそこで出たんだって。私にチーフになってもらいたいそれ満場一致の意見だったんだって。だけどパワハラ上司小林が私に気兼ねして、連絡遅くなったって言ってた。ごめん、アヤナ私南国旅行無理っぽい。」
「やすらぎに帰るのね。」
「うん」
「良かったじゃない、ミホが一生懸命仕事してたの皆見ていたって事だったんでしょ。」
「そうね、嬉しい。」
そういうと電話越しでもミホの泣きじゃくる声が聞こえてきた。
「じゃ、また電話するわ。」
そう言い残し、アヤナはスマホの通話を切った。
なんとなく、いつもの癖か例の南国にいる同い年らしき女性の動画を検索しようとしたが、どう探しても見つからない。
まるで夢でも見せられていたように。
どうしてもたどり着けない。
あれは、正夢だったのかもしれない。
何時しかアヤナはそう思うようになっていった。
人は時として自分自身を見失う。
そして身近な人達を気付つけてしまう。
ミホ、アヤナ…。
何処にでも存在するであろう小さな生き物達。
私達は困難に直面したとき、どれだけ回りを見渡せるのか?
ミホとアヤナはそんな思いを投げかけてくれた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ソデッチでした。
じゃ、また!