〝親の終活”と家族の負担
前々回、親の終活とその家族③〝繰り返される高齢者の万引き”で警察のお世話になった宮本一郎さん(仮名)について書きました。
親の現状に苦悩された宮本宏さん(長男)とその奥様(香さん)は、市の包括支援センターでアドバイスを得られます。
その結果、宮本一郎さんは介護認定され、週に数回の施設通所。
そして義父の身の回りの世話を香さんが通いでされることになりました。
受験期の子を抱える香さんのご家庭です。家事とパート勤務に併せ、新たに義父の世話。とても両立出来そうにありません。
時間に追われ自分の時間どころではありません。残念ですが、香さんは家計の足しに始めたパート勤務を辞めざるを得ませんでした。
この現状は望ましいものだったでしょうか?他に方法はなかったのでしょうか?
親サイドから【介護される側の想い】としてこんなデータがあります。
介護が必要になった場合 「施設介護を希望する高齢者」 全体の約60%
施設介護を望む理由 「家族に迷惑をかけたくない」 全体の82.1%
(公財)生命保険文化センター
上のデータから高齢者の「介護が必要になっても、家族に負担はかけたくない!」
という気持ちが読み取れます。
ですが‥‥、
こんな背景があるにも関わらず、結果として高齢者の身の回りの世話は「身近な奥さまや実家に住む娘が‥‥」と女性が負担を負う現状が多いのです。
かつて私が幼い頃、母に連れられて訪れた母親方の実家。そこには祖父、祖母、母の両親や母の兄弟が暮らしていました。
こんな大家族での生活、今ではお目にかかることは出来ませんが、当時は珍しいものでは無かったように思います。
そんな生活の中では、「年老いた年長者は家族で面倒をみる。」といった風習がありました。
とりわけ、女性が中心に年老いた高齢者の身の回りの世話をしていました。
時代は変わって、女性の社会進出が当たり前になった今日です。
こんな時代ですがどこかに「女性の負担」を暗黙の内に求めてはいないでしょうか?
「自分の人生、束縛されることなく自分らしく生きたい!」
人は誰でもこう願っています。
介護される人、介護する人、双方にその人の大切な人生があるのです。
人は時間と共に老います。これは誰にも訪れる人として自然なことです。
高齢化が著しい今、大切なご家族の負担を少しでも減らす為、やり残している事はないでしょうか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「俺はまだまだ大丈夫。しっかりしているだろ‥。終活なんてもっともっと先の話だよ‥‥」
お元気なのは良い事です。でも、自分の老後に向き合わない事が、子の負担に繋がります。「自分の老後について配偶者や子と話し合っておくこと」
これが親の安全安心な老後生活・子の負担減少に欠かせないのです。
〝自分の終活”と〝子にとって親の介護” 「老い」は誰にでも訪れる人にとって自然なことです。互いに向き合って取り組んで行くことが大切です。
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