気になっていたかと聞かれると、正直なところほぼほぼノーマークな作品でした

原作はタイトルを聞いたこともなかったので、出演キャストのSNSでこういう作品があるんだな…ということを知ったくらいです

 

しかし、こういうストーリーはありがちですけど壮大な世界観でやっぱり面白い

大河ドラマでもやはり戦国時代が1番華やかで見応えがあるのと同様、舞台作品でも戦物というのは派手でいいです

ただ、派手な動きやストーリーだからこそその世界観を壊さずしていかに劇場という小さな箱の中で再現するのかというのが大きなポイントだとも思います

 

得てして、これは失敗だったな…と、感じてしまう2.5次元での同ジャンル作品はありますが、これに関しては演出も良かったですし、なによりも驚いたのはこれまでの2.5次元ミュージカルとは一線を画す構成が素晴らしかったです

何度もこれまでのレポで2.5次元ミュージカルは演技のシーンと歌のシーンがきっぱりと分かれていて不自然であると指摘してきましたが、それが感じられませんでした

歌唱力に関しては、とても素晴らしいとは言えるものではありませんでしたが、歌への導入がとにかく自然だったことで違和感もなくミュージカルとして受け入れる事が出来ました

 

アルスラーン役の木津つばささんはやはりこういった静のキャラクターがよく似合うと改めて感じることが出来ました

歌もうまいですし、まぁミュージカルなので本来であれば踊ってもよかったとは思うので、踊りがないのは残念でしたがとても良かったです

原作の設定を確認いたしましたところ、初期のアルスラーンは14歳とのことなので、22歳の木津さんとは些か年の差がありますが顔立ちがとても幼い感じの方なので、特に違和感もありませんでした

また、最初はただただ加藤将さん演じるダリューンについて行くだけで自分の意思というか、こういう国にしたいというようなものも感じらず守られる存在といった感じだったのが、仲間が増えていき様々な考えや意見を耳にし、実際に市井を見ていくことで成長していく過程もしっかりと作り込まれているようにも見えました

 

ダリューン役の加藤さんは、個人的にはとても好きな俳優さんなのですが、だいたいいつもただの加藤さんだな…と、感じる程度の役作りしか感じられない、というのが私の印象でした

相変わらず舌っ足らずなところはありますが、これまでよりもちゃんと役に入っていたようには見えました

木津さんとの体格差であったり、基本対になっている斉藤秀翼さん演じるナルサスの回し方がうまかったおかげかもしれません

 

辛いストーリーの中に、ナルサスの宮廷画家の話であったり、立道梨緒奈さん演じるファランギースと山田ジェームス武さん演じるギーヴとの掛け合いであったり、笑えるシーンも盛り込まれており中だるみすることなく楽しめる作品だと思います

終わり方的にもまだまだ続くのかな…??という感じだったので、続編があれば見てみたいです