7年ほど前に私の大学の山岳部は、なくなりました。

 

当時部員は2名おり1名は4年生、もう1名は1年生でした。

そのどちらも自分達自身で運営するための能力は無く、そして意志も無いため、コーチになったばかりの私が他のコーチを説得した上での自決に近いものでした。

 

同じような活動を行う部は他には探検部、そしてワンダーフォーゲル部がありましたが、山に特化しているものは山岳部だけでした。技術も経験もすべてにおいて劣っているところは無く、むしろ圧倒的な差をもっていたにも関わらず、私たちは淘汰されました。

 

それを「時代だから」、「しょうがない」なんて言葉で片づけたくはありませんでした。ですが、事故を起こすよりはずっといいと思ったのも事実でした。

最近本当にくだらない、しょうーもない原因による山岳事故が増えています。確かに時代は変わっていくものですが、私たち岳人には変わらずにもっていなきゃいけない矜持があると信じています。

 

山は自己責任で登るものであり、その責任を果たすべく必要になる体力、知識、技術を身に着け、謙虚に誠実に自然に相対する

 

そういったことはどんな時代であっても変わらないものだと思います。少なくとも私はそうあろうと必死でしたし、それは今も変わりません。

 

ちょうど部が無くなった時と同時に高校時代所属していた山岳部からコーチを頼まれたこともあり、気持ちは徐々にそちらにシフトしていました。

 

大人ではなく子供と大人の中間時期にある彼らに何かを教えるのは難しかったですが、それ以上に充実した時間と経験を私に与えてくれました。

 

そして、その中の一人が私と同じ大学にこの春入学しました。

私は迷っています。

 

心のどこかで諦めていました。

が、わずかな可能性ではありますが選択肢があらわれてしまいました。

 

明日それを伝えようと思います。否定をされてしまうのか、それとも受け入れてくれるのか…

 

わがままを言えば自分がつぶした部を復活させてほしいと

ただそれを選択してしまえば、それは決して楽な道のりではないことを覚悟してもらわなければなりません。

 

いずれにしても私も覚悟を決めなければならないようです。