かつて先輩(登山の師)に頑張ろうって言われて頭を撫でられて抱きしめられたことがあった。どうしようなく辛く、本当に歩くことができず崩れかかった時のことだ。今でもその感触は、その温もり忘れることができない。冷たくて、辛くて、本当に早く楽になりたかった時だった。温かく優しかった。

頑張るってことについて真剣に考えるようになった。いつしかそれが自分の生き方の指針とまではいかないがきっかけを与えてくれた。師匠であり姉でもあった人が自分に遺してくれた確かな言葉とそれに宿っていた思い。それを思う度に自分は前に進める気がする。

先輩いや“姉”か、が遺してくれた頑張ろうって言葉の意味を考えていた。もしかしたら、頑張ろうの前に“自分に負けないよう”にって言ってるような気がした。