生活再建への道のり
ブログ訪問ありがとうございます。
ソーシャルウィンドウの鷹野秀征です。
社会起業大学の卒業生・学生が立ち上げたLOVE Gatheringというグループの
活動の一環として、石巻にボランティアに行ってきました。
報告レポートを書きましたので、ブログにも掲載します。
ぜひ、多くの方に現地に行って、被災者の身に起こったこと、起きていることを
実感して欲しいと思います。
現地とのつながりを直接持つことで、当事者意識がまったく違ってきます。
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生活再建への道のり
石巻で4/30~5/3の3泊4日、NPO法人JEN(ジェン)の泥だしボランティアに参加した。
津波被害の爪あとは凄まじく、海岸近くは未だにインフラ復旧もままならない。1kmほど離れてようやく何とか住める状態の民家があり、生活再建が徐々に始まりつつあった。今回は3軒の民家の泥だし・片付け・清掃に関わらせて頂いたので、「生活再建」について感じたことを書いてみたい。
1.生活再建の意味とは
普段の生活ではおよそ想像がつかない「半壊の家」に住むことを体感した。1軒目のお宅では、1階の頭上まで達した津波がアルミサッシとガラスを破壊し、家具の中を水浸しにし、布団、衣類、食品、本、写真、思い出の品々をほとんど使い物にならなくしていた。
くっきりと残った津波の跡。この家で暮らすのかと思うと涙が出てくる。それでも「避難所よりはいい」との家主の言葉は重い。全壊して住めない方も大勢いるのだ。鴨居の上に掛けられていたご先祖3代のお写真は無事で、この家を護ってくれたのだと感じずにはいられなかった。
1階の各部屋の家財道具を全て運び出して部屋を水洗いする。床は当然平らではない。扉もきちんと閉まらない。津波の跡が残らないよう一生懸命擦るが、なかなか消えない。
運び出した物の中で瞼に焼き付いているのが自家製の梅干だ。ここに普段の生活があり、楽しい団欒があった。お婆ちゃんが心を込めて漬けている様子が浮かんで、消えた。
この厳しい現実にどう向き合えばいいのか。生活再建と言葉ではいうが、インフラや流通が元に戻るだけではダメだということを痛感した。一つ一つの家庭に普段の生活が戻るまで再建の道のりは続く。このお宅で言えば、自家製の梅干が食卓にのる日がそうなのかも知れない。
2.生活と心に大きな負担を強いる瓦礫の山
住宅地の生活道路の両側が瓦礫で埋め尽くされ、車一台がようやく通れる幅しかない状況を想像してみて欲しい。まるで瓦礫の中に家を建てたような風景に衝撃を受けた。
家主が行方不明のお宅では道路から玄関にたどり着けない。近所の方がそこにゴミを棄ててしまうのだ。ご近所トラブルも発生しているという。悲しい現実だ。
ここで生活しているのか。。。いくら避難所よりいいとはいえ、瓦礫の中をわが家に帰る心境はどれほど苦しいことだろう。家の中はようやく片付け終わったものの、生活道路の片付けは行政の管轄で順番を待つしかない。
ボランティアへのニーズとしても多く出されているのだが、近くに廃棄場所がなく手の出しようがない。正式な廃棄場所には指定業者でなければ入れず、ボランティアはトラックを使わないという役割分担があるからだ。
風が吹くと臭いと埃がひどい。一刻も早く生活道路の片づけが終わることを切に願う。
3.生活再建へ向けて私たちにできること
今現地で必要なことは、普段の生活に必要なモノと、コミュニティの支え合いだと感じた。
電気が復旧し家電製品が使えるようになってきた。冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、TV、これからエアコンも必要だろう。費用負担を少しでも減らせるよう、再利用のニーズと合わせられればと思う。
わが家にも使っていない小さな冷蔵庫が1つある。中古品をやたら送られても困るだろうから、ネットで再利用可能品を集めてうまくマッチングできないだろうか。家電だけではなく家具類もニーズがある。新品よりつながり感が持てる点をメリットに出来ればと思う。
もう一つ大事だと感じたのが、コミュニティのつながりだ。外部の人間に何ができるのかと思ったが、ニーズヒアリングをしていて、案外地元の人同士が話をしていないと感じた。それぞれが自分の生活に必死で地域のことを考える余裕がないのかも知れない。
もし長期で滞在できるならば、1軒1軒の家をまわって情報を収集・共有し、ご近所トラブルを未然に防ぎ、集会を開いて地域全体で取り組むべきことを皆で話し合えたらと思う。地域の片づけをボランティアと一緒に行い、地元の方には作業代を支払うのも一案だろう。そんなコーディネートができれば、コミュニティ全体に対してボランティアがもっと大きな貢献ができるのではないだろうか。
4.「生活再建」ボランティアに必要な心構え
家主さんはみな遠慮がちだ。ボランティアへの感謝の表れとして、生活が大変な中、お昼や飲み物を出してくれる。だが、これは本来ボランティアのルールでは受け取れないものだ。出すのが当然になってしまうと依頼しにくくなり、「どの家は何を出した」などとご近所トラブルの火種になりかねない。
出されたものを断るのは難しいので、先にきちんと説明しておく必要がある。先に出されてしまったら有難く頂くしかないが、ボランティアのルールは説明しておこう。気軽に話しかけて作業して欲しいことを聞き、遠慮なく言いやすくしよう。一緒に作業することを通じて心のケアになる。
その際、ちょっとお節介だが、ご近所のことにも気を遣おう。くれぐれも新たなトラブルを残さぬよう。ボランティアが来てくれたおかげで、コミュニティのつながりが強まったと言ってもらえたら素晴らしい。私たちはその地域には残らないのだから。
「生活再建」とはその家だけのことではない。生活圏であるコミュニティを考えることが大事だ。この意味をしっかり理解して、ボランティア活動にあたっていきたい。
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関連リンク
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■ NPO法人JEN(ジェン)の泥だしボランティア
http://jenhp.cocolog-nifty.com/emergency/2011/04/post-03c2.html
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2011年5月10日(火) @自宅
