この一週間は、台風に立ち向かって大分に行ったり、初めて予備校の添削を担当したりしていて、結構多忙でした。大分までは行けたのですが、案の定、台風がすごすぎて、屋内でじっとしてましたが。。。



さて、今回初めて予備校の添削をしてみましたが、やってみると予想通り、記述の分量のバランスを失している答案が多かったです。なぜ、予想通りだったのかといえば、自分が落ちた年は、記述の分量バランスを失した答案を量産していたからです。

配点2点くらいの箇所に、2ページくらい分量を割いてしまうなどが典型例です。

このようなことをすると、出題趣旨に沿ったことを書いているのに、点数が伸びないという不思議な現象が起こってしまうのです。一概に余事記載とも言い切れなので、結構厄介です。

司法試験の問題には、配点の大きな事項(メイン論点)と配点の小さな事項(サブ論点)があります。メインの論点については、問題の所在を丁寧に示し、理由を付して規範を立てて、丁寧に当てはめをする必要があり、そこまでやって合格点がつきます。メイン論点は、基本であることがほとんどなので、多くの受験生が高い精度で答案を書いてきます。なので、あっさりと書くだけでは差をつけられてしまいます。

他方サブ論点は、それになりに問題の示して、あっさりと処理しておけば十分です。逆にサブ論点を厚く書いても、与えられる点数はたかが知れていて、実はあっさり書いたのと同じくらいの点数だったりします。2000番前後は、論点については結構みんな拾えているので、配点の大きいところをしっかりと検討できたかでかなり勝負が決まっているようにも思います。




たいていの受験生は、書ける分量が4~7枚前後くらいなのですから、すべての検討事項をフルスケールで書くことはできません。段論法を堅守せよ」とよく言いますが、すべての検討事項で、三段論法を堅守するとふつうは死にます。メイン論点の記述が薄くなってしまうからです。

なので、答案構成段階で、厚く書く論点と、薄く書く論点、触れるだけの事項を振り分けておく必要があります。前のブログにも、書いたのですが、人はさきにやることに多くのの時間と労力を使ってしまい、終わりに行けば行くほど雑になってしまう傾向があります。これは、答案作成の際にも同様のことが言えます。なので、答案を作る際にも、時間が切迫してきた場合には、重要性の高い部分、すなわちメイン論点と思われる事項から書き始めるのがよいと思います。いうなれば、バイキングで前菜等をたくさん取りすぎたために、メインディッシュを食べるころにはおなか一杯になっていたり、他の人に食べられてなくなったという事態が生じないようにするということでしょうか。こういう事態が生じないようにするためには、先にメインディッシュに突撃して食べちゃうことなんでしょうね。



ただ、初めに書いてもあっさりかける自信がある場合には、先に書いてしまうのもありだとは思います。この辺は、最終的にメインの箇所を厚くかければよいので、自分の性格とかを踏まえて、ベストな起案方法を追及してみてほしいところです。

例えば、自分の場合、行政法の訴訟要件とかはサブの訴訟要件はさきに書いてしまってメインを最後にとって置いたりしていましたが、憲法で文面審査(明確性)などは必要以上に厚く書く癖があったので、後回しにするようにしていました。

結局のところ、各自の自分の癖をよくつかむ必要があるのだと思います。