CADやBIMと相性の良い技術にARというものがあります。
今後、世界的にARの巨大市場が生まれると言われており非常に注目されています。
今回はこのARによりCADやBIMの世界がどのように変わっていくか?考えてみたいと思います。
ARとは
ARは現実の世界にデジタル画像や情報を重ねて視覚を拡張する技術です。
ARが使われているものとしてはポコモンGOが馴染み深いと思います。
このようにARは現実世界とデジタル世界の距離を縮める、もしくは距離をゼロにする記事と言っても過言ではないでしょう。
AR市場の今後
今後2025年ぐらいまでにARは900億ドルの市場を生み出すと予想されており、アップルCEOのティムクック曰く、ARはスマホと同じぐらい大きな市場に成長するだろうと語っている。
スマホは1人一台とまではいかないものの国によってはそれに近いぐらい普及しています。
そのスマホと同じ規模の市場になるというのですから、その成長ぶりには驚かされます。
産業でのAR技術の活用状況
このAR技術ですが自動車などの機械分野やマンション、戸建などの建築分野ではどれぐらいまで活用が進んでいるのでしょうか?
自動車産業でのAR活用状況
自動車産業でのARの活用は工場での組立てライン用の教育に使われたりしています。
以前は製品の組み立てを組立て指示書などを見ながら作業員が組み立てるのが一般的でした。
そこには紙のマニュアルなど分かりづらいなどの課題があり、組立て方が分からないと工場から設計に問い合わせがいく。
本来、分かりやすいマニュアルだと問合せする必要も、答える必要もないわけですが、そこにはある意味付加価値が低いコミュニケーションが発生していました。
それがARにより、作業員はゴーグルを付ける事で現実の製品を見ながら、次から次へと組み付け指示が現実の製品に重なるようにして出てくるので迷いようがないというわけです。
これにより以前は新製品時に必ず組立て作業員に教育が必要でしたが、ARのより不要になります。
そのうちARゴーグルも小型化し、メガネサイズやコンタクトサイズになるかもしれません。
その他の活用事例としてはデザインレビューなどで使われていました。
車などの実車ができる前に実物大で部品の組み付け性などを見たり、デザインを確認する事に使われていました。
建築分野でのAR活用状況
建築でのARの活用事例はBIMなどで作成した3Dデータを使ってマンションや戸建ての内覧会ができるという事です。
今まではモデルルームを作らないと内覧会もできませんでしたが、建築物と同サイズの3DデータとAR技術を使う事で本物さながらの内覧会が可能です。
どこにどういった家具が置けるか、日の当たり具合はどうかなどリアルに確認できます。
建築業界ではVRの活用も進んでいます。
お客さんに対してCGのパースを見ながら説明を行ったあと、その後VRで設計モデルを体験してもらいます。
こうする事で「VRで体験した瞬間に、この家を欲しい」と言うお客さんがとても多いようです。
将来的には、最初からVRで体感してもらうようになるかもしれません。
VRのメリットは、お客さんの建築物に対する要望や意見が、「ここは歩きにくい」「この引き出しの高さは使いにくい」といったように、非常に具体的になることです。
その要望を元にBIMなどの設計データに反映させます。
このようにVRによりお客さんとのコミュニケーションの密度がかなり高くなっているのは間違いないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
CADやBIMで作成した3DのデジタルデータはARと非常に相性が良いです。
それだけに今後、ARの普及と共に益々必要不可欠なデータになる事は間違いないでしょう。
ですが、この3Dデータを作るCADオペレーターの将来性を危惧する声が多く聞こえます。
しかしこういったARのようにCADを取り巻く周辺技術の発展によりまだまだ必要な職業だと思っています。
CADオペレーターのキャリアアップでお悩みの方は以下の記事も参考にして頂けると将来のイメージが沸きやすくなる事でしょう。