〜きょうの食〜

 

長野の上高地へ自然を求めてゆくも

あいにく豪雨により、目的地までの観光バスが運行休止とのこと。

ガックシ……

なんてうなだれている場合ではない。

 

無理なら次。

なんせ今はまだ昼前の10時。

今から松本市内までおよそ1時間。

ちょうど飲食店が開店する時間ではないか!!!

 

目をつけていたうなぎや「やなのうなぎ観光荘」を検索すると、

開店は11時。いける。

ありがたいことにネットには現在の待ち組数がリアルタイムで更新されている。

 

ちょうど11時に到着しそうだ。

あと20分。待ち組7組。

あと10分。待ち組18組。

あと5分。待ち組25組・・・・!

到着して番号札を受け取ると、32組待ちとのこと。

キュルキュル鳴るお腹をなだめて、車の中で待機。

空腹も相まって、期待が膨らむ。

メニューを見ると、ひつまぶしと鰻重、オリジナルのやなまぶし丼があるらしい。

さてどうしようか。

ひつまぶしは、焦がしネギ、大葉の2種類あるようだ。魅力的だ。

王道の鰻重も捨てがたい。

やなまぶし丼は、長ネギとわさびをタレに混ぜて食べるおすすめメニューらしい。

 

迷っているうちに1時間が過ぎ、ようやく席に案内された。

 

思えば鰻など食べたことのない人生だった。

よし、ここは王道の味、鰻重を堪能したい。決定だ。

 

運ばれてきたおぼんには、鰻重の他にも、きのこと小松菜の2種類の小鉢、お吸い物も乗っている。

まずはメインから。

重箱の蓋を開けるや否や、思わず唾を呑んでしまう。

タレの焦げた香ばしい香り。

照り輝く鰻が2等分され、贅沢に白米の上に寝そべっている。

見るからに分厚い…。

 

迫力満点さに圧倒され、遠慮がちに鰻の左端に箸を入れる。

サクッ フワッ

この鰻、下に敷き詰められた白米と同じくらい厚い。

もはや白米が申し訳なさそうだ。

 

少し大きめの一口分をとり、一気に口に運ぶ。

炭火で焼かれた鰻の表面がパリパリと鳴る。

それでいて、中の身はふっくらジューシーな味わい。

後から鼻に抜けるのは、タレだけではなくしっかりした鰻の旨味のある香り。

 

はぁ…美味しい…

たった一口で、えも言えぬ幸せ。

 

卓上の「当店特製わさびのたれ」をつける。

ご飯が進む甘辛いたれの中に、わさびが爽やかな風を吹かす。

一般的な鰻の調味料である山椒の粉も試したが、断然わさびが食欲をそそる。

このたれ、家でも使いたいなぁ。

 

あっと言う間に完食。

初めてのうなぎ体験。

豪雨に感謝した旅の初日でした。