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PFPへの旅

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マニーパッキャオ。ボクシング史上に燦然と輝くPFPの頂点に君臨する男だ。
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長いことパッキャオを見て、俺はこの男がやられたという試合の記憶が皆無だ。
キャリアの前半の二敗はいずれも体重超過で試合前から失格になっていて、やる気が無かったのだろう。ろくにパンチを出さずにさして強くも無い相手から逃げ回り適当に倒れて終わったという感じだ。
モラレスとの初戦の判定負けも、まあこれはモラレスの完勝といっていい内容だが、パッキャオもフルラウンド打ち合い心が折れるような負け方では無かった。

負けどころか、ダウンすらもほとんど食らったことが無い。一度Sバンタム級時代のナデルフセイン戦で確か4ラウンドに軽い右ストレートが顎に入ってダウンしたことがある。この時は目もうつろで、まともに戦った中では最大のピンチだっただろう。その後はクリンチの応酬で何とか持ち直し、自前のパワーで10ラウンドに倒したのだが。俺の記憶では完璧なダウンはこれが最後だ。何と2000年の試合だからその後11年も倒れていない。

ライトフライでデビューしてフライで最初の世界チャンピオンになるのだが、この頃は本当にガリガリで、身体の振り方もフットワークも小さく、ただ被弾しても効かないので、殴られても突進してパワーで打ち勝ってしまっていた。この傾向は3階級上げたSバンタムでも変わっていない。
変わったのはフェザーに上がってからだ。やはり自身より身体が大きい相手が増えてきて、パンチの強さや自身のパンチ力を自覚したのだろう。トレーニングもしたのだろうが、俺の見立てでは試合中に相手の攻撃を集中してよけていたら今のような防御技術になり、パンチを届かせるために工夫していたら今のような攻撃力になったと思うのだ。
そりゃそうだろう。考えた上でのトレーニングで身に付くなら、みんなパッキャオになれる。パッキャオはまさに試合の中で劇的に成長したはずだ。
Sフェザーに上がってからはもう説明不要だろう。ベラスケス、モラレス、ラリオス、ソリス、バレラ、そしてマルケスと当時の最強のメキシカンを片っ端からやっつけた感じだ。まるで敵地にたった一人で乗り込んで全滅させるランボーのようだ。もうメキシコはこのクラスでは送り込む駒がいないので掟破りのマルガリートまで出したが、叩きのめされてしまった。ボクシング大国のメキシコのプライドはズタズタだが、もうこの世代については決着がついているので、新世代のアルバレスなどに賭けるしかないだろう。マルケスに一縷の望みを繋いているとは思うが。
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さてマルケスというパッキャオの最大の天敵だ。もう本当に相性としか言いようが無いのだが、このメキシコが産んだ最高傑作の技術屋は唯一パッキャオに負けていない男だ。次戦も終盤までもつれるのは濃厚だ。
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夢のパッキャオVSメイウェザーにケチがついたら困るのだが、この希代のカウンターを持つメキシカンは燃えている。過去の二戦とも勝ったという自信、ラバーマッチを断られ続けパッキャオを追い続けた四年弱、やっと試合にこぎつけた執念。引退が近いこの男が全人生と己の命、そして一億一千万メキシカンの怨念を一身に背負って戦いを挑んでくるのだ。モチベーションの差が勝敗を分けそうで、恐ろしい危険なイメージを持つのは俺だけか?
もう互いの力は熟知しているだろうから、技術論を語るのはナンセンスだ。まさに勝ちたい気持ちが強いほうが勝つだろう。と、いうことは…。
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