また、看護学校の先生から
紀要のお話を頂きました。
以下、まとめのつもりで
載せさせていただきます☆
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Think globally, Act locally~ガーナでの保健活動を通して~
「アクワバ!」
“おかえりなさい”を意味するこの言葉で迎えられた私は、西アフリカのガーナ共和国に降り立ちました。ガーナは、経度0°を示す子午線と赤道とが交わる位置にあるため、地球の真ん中にあたる国です。年間を通して30℃前後まで気温は上昇し、湿度も高い熱帯の国です。この暑い地球の真ん中で、これから一人、約2週間の挑戦が始まります。
ガーナと聞けば日本人の私たちは何を想像するでしょうか?まず、必ずと言っていいほど、チョコレートを連想すると思います。日本には“ガーナ”という商品名のチョコレート菓子が発売されています。他にも、ワールドカップでベスト8入りを果たすなど、サッカーの強豪国としても知られています。
私が今回ガーナを訪れた理由は、現地NGOのインターンとしてHIV/AIDSの予防教育に関わらせていただくためです。なぜガーナを選んだのかというと、漠然と「アフリカに行ってみたい」という気持ちがあり、五感を最大限使って世界を知りたかったからです。看護学校の最終学年であるこの1年間に、“将来、国際協力や開発援助の道でやっていけるのか確認したい”という思いや、“自分の方向性を固めたい”という思いもありました。
まず、印象的だったことは、ガーナはサハラ以南のアフリカ諸国で初めて独立を果たした国であることから愛国心が強く、ほぼ100%の確率で車の中に国旗が飾られていたことです。また、フレンドリーな国民性で、外国人にも大変親切にしてくれます。(一人でタクシーが拾えず困っていたら、必ず誰かが代わりに拾ってくれます。)日本人からすると白人=西洋人なのですが、ガーナでは黒人以外みな白人(オブルニ)とされ、私にも皆「オブルニ!」といって笑顔で近寄ってきてくれました。
滞在は、NGOがホームステイ先を用意してくれていたため、現地の生活に近い環境で過ごすことができました。洗濯機やコンロはなく、水しか出ないシャワーでしたが、家族皆で協力して生活しています。日本のように便利になることが必ずしも幸せに直結しないんだな、と感じました。このホームステイ先から、村の学校や、地域のマーケット、ストリートチルドレンに向けてHIV/AIDS予防に関するプレゼンテーションをしに行くことが日々のワークです。
村の学校では、約80人近くのこどもたちがひとつの教室にぎゅうぎゅう詰めにされて、一生懸命私のプレゼンを聞いてくれました。内容は主にHIV/AIDSの感染経路、予防方法、感染したらどのように生活していくのか、といったことです。ガーナでは公用語は英語ですが、地域・民族によって現地の言葉があります。私の滞在していたクマシという都市ではTwi語が話されており、小学校から英語を習い始めます。ほとんどのガーナ人が2ヶ国語を使いこなしますが、これは英語が話せなければ高等教育が受けられないためです。私は英語でプレゼンを行っていましたが、小学校の低学年クラス(6歳~8・9歳)ではNGOスタッフが現地語で補助的な説明を行ってくれていました。
他には、受け入れ先NGOの事業としてストリートチルドレンへの支援があり、サッカーの練習を通して社会性を身につけることや、決まったお金を提供して金銭管理の方法を身につけてもらうこと、食糧援助などを行っていました。教育の機会の欠如している彼らに、木陰でプレゼンさせてもらうこともありました。ある時、話し始める前に男の子たちに「もし友達や家族がHIVに感染したらどうする?」と質問してみました。皆「う~ん…」と考えた後、一人の男の子が手を挙げて答えてくれました。「あっちへ行け、と言うよ。」と。今では、HIV/AIDSに効果的な治療薬も開発されており、治癒することはありませんが、うまく付き合っていけば長生きできる病気です。しかし、何も知らない彼らにとって、HIV/AIDSはただ恐ろしいだけの感染症であり、差別や偏見の対象なのです。コミュニティを重んじるガーナにおいて、差別を受け疎外されるということは大変辛く耐えがたいことです。この時ほど無知の恐ろしさを感じたことはありませんでした。
ガーナでの活動を通して、「Think globally, Act locally」(大きな視野で考え、身近なところから行動する)という視点を、身をもって学ぶことができました。差別や偏見意識を持っていた男の子たちからも、最後には「思いやりとケアが大切なんだね。」という言葉を聞くことができました。2週間で私ができたことは本当に限られており、現地の方から教わることばかりでした。なので、また是非アフリカの地に帰り、その時こそ本当の意味での「アクワバ!」で迎えられたいと思います。