※今日も夫の治療とは無関係で
ただの私の旅行記録です(・o・)
昨日から京都に
私は一人旅をしている
京都
それは私にとって特別な場所
初めての一人暮らし
仲間に恵まれて
とても楽しかった大学生活
色々な勉強をさせてくれた
アルバイト
ここで暮らせた日々があるから
私の今があり
今の全てに繋がっていると思う
そして20歳の私はこの地で
夫と出会ったのだ
今回の京都の訪問の目的は
実は観光がメインではない
私はある国家資格を持っていて
娘が産まれるまでは
その資格を活かした仕事をしていた
娘が産まれてからは
全く使っていない私のこの資格
免許の有効期限が切れたため
法定講習を受けて
免許を更新することにしたのだ
何故、京都で講習をというと、
大学生時代に取得した資格だから
その時の私は京都住まいだったので
住所地の京都府での登録のまま
20年以上の年月が経った
旅行がてら更新をする
更新の度
大好きな京都に行けるので
更新をいつも楽しみにしていた私
免許の有効期間が切れていなければ
次回からはオンライン講習で
大丈夫だそう
あえてずっと京都府のまま
変更しなかったのになあ
今年に入り、急に夫が
『講習を受けて免許の更新をしておいたほうがいい。京都に行っておいで』と何度も私に言うのだ
…貴方はきっと自分がいなくなったあとの私達の心配を
しているのだろうね
確かにこの国家資格があれば
私の就職も幅が広がる
沈着冷静な夫らしいや
でもなんでだろ
胸がキュッとなる
夫がいなくなる
そんな世界は想像したくないのに
ずっと一緒に
貴方に守られて生きていきたいのに
そんな事をいう私には
夫は不安で娘を任せられないね
免許を更新して
私が1人で娘を育てて行けるよう
準備をして欲しいのかな
色々な感情が
新幹線内の私に去来する
それにしても新幹線内から
久々に見る関西の
住宅間の隙間の狭さには
いつも来る度、驚かされる
そして私は
久しぶりに京都駅に降り立った
我が家は娘を連れてよく
関西に遊びに行くが
娘の目的地はいつもUSJなので
実は13年ぶりの京都散策
この日は雨予報だったが
幸運なことに、雨が降ることは
なかった
今日は一人旅のフリータイムだから
誰かに合わせる必要がない
私の行きたいところに好きに行こう
京都駅の構内も観光地も
本当に外国の人ばかり
私が海外旅行に来たようだ
外国人観光客は沢山いて
よく道を尋ねられたりしたものだが
あの頃とは全く密度が違う
これは凄いことが起きているな
繁華街の四条河原町から
祇園にある八坂神社まで歩く
円山公園
祇園の都路里でパフェを食べ
変わらない味に舌鼓
甘くなくてそれでいて濃厚
そして新京極から錦市場へ
学生時代からの大好物
豆腐ドーナツを頂いた
うん!これも変わらない
変わったものは数え切れないけど
あの頃と変わらないものも
確かに沢山あって
どう歩くか
どの方向にいけばいいか
どの市バスに乗ればいい?
ずっと離れた場所で暮らしても
私の身体がこの街を覚えている
私の一部であり、今も生きている
それがなんだかとても嬉しかった
移動のバスの車窓から
街を眺めていると
あの頃の思い出が
ビュンビュン頭に飛び込んできて
大学生の頃の自分に
京都のあちこちで会えた気がした
大学当時、住んでいたエリアにも
行ってみることにした
そうきっとこれは
私という人間の思い出を巡る旅
大学生の無邪気で生意気な私が
あちこちに顔を出す
自転車と市バスでどこまででも
行ける気がしていたあの頃は
大してお金は持ってなかったけれど
いつもただひたすらに楽しくて
明るい未来しか信じていなかった
そんな学生時代の私が
住んでいたエリアにも行ってみた
あった!
ああ懐かしい
私があの頃住んでいたマンションは
今は随分空室があるようだ
マンションの一階の喫茶店は
変わらずそこにあった
手ぶらで口座開設に銀行に行き
恥ずかしい思いをした銀行も
名前は変わったがそこにあった
街中をバスで巡れば
背伸びして
ドキドキしながら商品を見ていた
高島屋
ゼミの仲間とオールで
よくカラオケをしていたジャンカラ
巫女の短期アルバイトをした
八坂神社
バイト先の仲間たちと
バイトのあと皆でよく食べた
四条烏丸のラーメンやさん
夫とデートでよく行った
京都駅の空中回廊
そして夫と初めて出会った
私にとっては大切な場所に行った時
思わず目から涙がポロポロ
沢山溢れた
嗚咽が漏れないよう
慌てて気を張る
ここから私達2人の人生が交わり
沢山の偶然により
共に時間を紡いで結婚して
夫の一族と出会い
そして私達は大切な娘を授かった
こここそがまさに
我が家の始まりの場所
そこを今日訪れた時
出会った時の私達の姿が
なんだかそこに見えた気がして
それはとっても暖かくて幸せで
でもとっても切なかったのは
何でかな
癌封じに有名な新京極の蛸薬師堂で
蛸を左手で撫でながら
夫の病のことを
とにかくお願いしますと
祈りを捧げてきた
お参りもあちこちの神社にしたから
きっと明日の抗がん剤も大丈夫
始まりのこの京都という街なら
私達家族を
助けてくれるかも知れない
私はそう信じてる
円山公園の枝垂れ桜にも
20年ぶり
本当に久しぶりに行くことができた
やっと会えたね
もう桜は散ってしまったけれども
心にずっといたこの桜に
こうしてまた私は会えたのだ
願えばきっときっと
何事も実現する
実現させるのは他でもない私しか
いない
京都の地でこんなに
素晴らしいパワーを沢山貰えたから
また明日から続いていく
私の人生も
自分で選び取り
決めたことに責任を持って
前に進もうと思えた