ある日のこと、エレベーター点検業者さんたちがやってきました。


点検のために鍵を貸してほしいとのこと。


私は、いつも何かがあった時にはとりあえず渡している鍵を渡そうとしましたが、業者さんは「いつもはこれじゃない気がします」と言う。


あいにく坪内さんは席を外していたため、私は課長に訊いてみました。


すると課長は笑顔でひとこと・・・


課長「え~? 俺わかんないよ~。坪内さんじゃないと~」


「ザ・総務課」体験日記

ああ、わかんないんだこの人じゃ・・・

課長、パートの坪内さんに頼りすぎじゃないですか・・・?


という言葉を私がごくんと飲みこんだ時、坪内さんが帰ってきました。


そして、私が渡そうとした鍵を業者に渡し、私にひとこと。


坪内「何かあったらいつもこの鍵だから!!」


いや、だから渡そうとしたんですってば・・・


なんだかなぁ。

ある日のこと、坪内さんが段ボール箱をひとつ、どーんと私の机に置きました。


坪内「これ全部、拭いてきれいにして巻き直しておいて!」


いつものように一方的に言い放つと去っていきました。


中を見ると、そこには、とぐろを巻いた大量の電話線が鎮座していました。


ええ~・・・私一人デスカ?



「ザ・総務課」体験日記


電話線はべたべたしていて全然きれいになりません。


てか、そもそも、使う時に拭けばいいんじゃないかとか、

いや、使う時にはカーペットの下に敷くのだからそんなに拭かなくてもいいんじゃないかとか、

もやもやしてしまいます。


でも、なんだか、シンデレラ的な気分にもなってきました。


私、けなげ・・・


と自画自賛です。


でも疲れてきました。

頭痛もしてきました。

全然終わらないのでちょっと残業に突入しました。

いい加減、シンデレラとかもうどうでもよくなってきました。


そのうち、長田課長が声をかけてくれました。


課長「それ、そんなに拭かなくていいんじゃない?どうせ使う時はカーペットの下に敷くんだし。そのべたべた取れないでしょ~」


天の声に聞こえました。


ま、ぶっちゃけ適当に拭いていたので全然きれいになんてなっていませんでしたが、一応拭いたという事実を残し、巻き直し、ビニールテープでとめて終了としました。


さて、この課長、一見するとまともなことを言ってくれているような気がしますね。

でも・・・

まあ、今後をご期待ください。

坪内さん、朝から電話でめっちゃ怒っています。


誰に怒っているのでしょう?ものすごい剣幕です。

電話の相手が私でなくて本当によかったです。



午後・・・


おやつの時間あたりに坪内さんがお菓子を配ってくれました。

ラスクです。


坪内さん、めっちゃ上機嫌です。何かあったのでしょうか。


坪内「あたし朝電話で怒ってたでしょう?」

私「そうですね。何かあったんですか?」

坪内「休日に業者が入って掃除したでしょう?掃除のできてなかったところがあったからちょっと怒ってやったの!」

私「ええっ?」

坪内「そうしたらさっき、お詫びにってこれ持ってきたからあげる~♪」

私「そうだったんですかぁ」

坪内「そう、たまにはガツンと言わなきゃだめなのよ~!」



朝の電話の相手はお掃除の業者さんだったらしいです。

ひええ。



「ザ・総務課」体験日記

甘くて軽やかな「フランス風ラスク」でしたが、なんだか妙に重い気がしました。

群馬県のラスク製造者さん(裏に書いてあった)、とてもおいしかったです。

とても、おいしかったんですよ。

自慢ですが、私はどんくさいので、電話に出るのが遅れます。


出た時には、タッチの差で他の人に出られた後のようで、受話器から無慈悲な「プープープー」という声しか聞こえないことが多々あります。


電話は、音が鳴る他に、鳴ると同時にランプが点滅して、電話がかかってきたことを教えてくれます。


電話は、フロアの人みんなの電話が音を出して鳴り響いたらうるさい、という理由のため、電話が鳴る設定の人と、鳴らない設定の人とに分かれています。

電話が鳴らない設定の人は、他の人の電話の音を聞いて、さらに自分の電話のランプの点滅を確認してから受話器を取ります。


ちなみに私の電話は音が鳴らない設定です。

だから出るのが遅れます(と、自己弁護してみる)。


さて、そんな私ですが、坪内さんにこのように言われてしまいました。


坪内「電話は鳴る前に出て!!」


「ザ・総務課」体験日記

ええ~!? んな無茶な Σ(゚д゚;)


気づかなかったのですが、どうやら電話は音が鳴るより先にランプが点滅するらしいのです。

つまり、ランプを見ていろと?

ランプを視界の端に捉えながら仕事をしろと?

おお~総務課って器用~!!


てか坪内さん、めっちゃ笑顔ですけど、これって、冗談ですか?本気と書いてマジな方ですか?



さて、お正月休みもついに終わりです。

これからは毎日の更新は難しくなると思うので、週2更新を目指します。

坪内さんは、一日で感情の移り変わりが激しいです。


例えばこんな感じ・・・


「ザ・総務課」体験日記

朝、ものすごく不機嫌。


昼、ものすごく上機嫌。


不機嫌な時は、挨拶とかないです。


私「おはようございます」

坪内「・・・」


私「お疲れ様です」

坪内「・・・」


最初は、私が何かしたために無視されているのかとハラハラしていましたが、そんなことはないみたいです。



逆に、上機嫌な時は、饒舌です。


坪内「あ~あ、もう今日やる気ないな~」

坪内「ねえねえ、何してるの~?」

坪内「邪魔しちゃおうっと♪」


かと思うと、何かの書類を見てもらおうとして・・・

私「これ、確認お願いします」

と言ったところ、こちらを見ることもなく、ものすごく投げやりな声で・・・

坪内「はい!わかりました!置いておいてください!」

と、言い方と言葉遣いのギャップがありまくりな返答をいただきます。


感情のスイッチの切り替えがわかりません。

全自動なのでしょうか・・・