★★★★☆(星4)
<My Opinion>
「習近平の正体」というタイトルからは習近平のネガティブな面がクローズアップされた本だと思われるが、本書では逆のポジティブな面が多く取り上げられている。習近平が通算25年にわたり地方幹部として過ごした苦労人であること、共産党入党を手助けしてくれた呂氏の恩を忘れずに、呂氏が重い病気を患った際に莫大な治療費を肩代わりする人情味のある人柄であること、共産党青年団しか支持基盤のないライバル李克強と比べ、上海閥、太子党、清華大閥、妻の彭麗媛の出身母体である中国人民解放軍等、幅広い支持母体を持つことなどが明らかにされている。
それこそ彼の「正体」は知る由もないが、少なくとも本書を読む限りは習近平が次期最高指導者になるべくしてなるのだなと考えさせられる。私がこの本を読んだのは2012年2月だが、初版は2010年4月であり、ちょうど日本人の間でも習近平氏の注目度が高まってきた時期であり、それを考えると、非常に良いタイミングで出版したものだと感心する。内容自体は星3つだが、タイムリーな出版タイミングに+星1つ。
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