「覚醒は時代が生みだすものだ。文明のある段階における発展が行き詰まり、社会が危機にみまわれると、
危機を乗り越えるために、社会はより深い真理に目覚めようとする。一段深い真理に目覚めることによって、
文明は一段高い段階へ飛躍(リープ)する。そして、文明がより高い段階へ飛躍(リープ)することによって、社会は危機を脱するのである。」

p.65. 正木高志『木を植えましょう』南方新社 2002年

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ヒビワレタ隙間から向こう側を見る
はたしてこの闇の中
あやふやな手探りの感触を吟味しつつ
小瓶の中の手紙は
詠み人を知らずして
手渡される数々の視線をさまよい
揺らめきの海辺を漂っていくのだろうか
「あなたががんばっていたことを、私は知っていました」
というひと言を、今日、つたえる。
あなたの輝きが
ちらりと見えて
その反射で
また別の面が
きらりと光る
光の屈折は
ぼくの瞳にも
やがて届き
こころの中で
乱反射し続ける
やさしさの意味を
おしえてくれて
ぼくもまたみたされてゆく
日々の所作をととのえてゆく
ひとつひとつの動作を洗練させ
自分なりのルールが習慣となり
そこここに
うつくしさが現れはじめることだろう
陽光の中、思い出す
よかった日と、あの人のこと
ぼくをぼくたらしめてきてくれた
たくさんの出来事、たくさんの顔々
ぼくの中に宿る涸れない声
もういちど
記憶の力を信じてみる
光さえあればいい
闇はあとからついてくるから...


あしたはあしたのかぜがふく...