海へ
海の波の音が聴きたくて・・ゆうに、海を見せたくて。
砂浜に据わって、ゆうの、歌っているCDをかけて・写真を胸に抱いて、ウエットスーツをそばにおいて。
ゆうが言っていた言葉を思い出しました。「海を眺めていると・オレはねぇ。こう思うんだ。すぐ目の前に広がる海
を見るのではなくて、いちばん遠くの海を見て、自分の未来とか、あの海のかなたにある何かを感じたいんだ。」
今こうして海をみながらゆうの言葉を繰り返し繰り返し思い出して、あの子の存在をかみしめています。
私もゆうと、一緒にこのまま、海に沈みたい・・と感じづには いられませんでした。
主人の涙
ゆうが、病気の告知をうけて 2週間ぐらい過ぎた頃 マリーン・スポーツの仲間と暑気ばらいをしました。
帰って来て好きなビ ールを飲んでいて 私に一言・・・どんなに飲んでも酔わないよ。」
と言うと、泣き出しました。肩をふるわせて・・・。私はあまりに辛くて不安で泣くこともできませんでした。
主人の涙をみたのは、結婚して初めてでした。
主人は毎日会社へ行く前の1時間はゆうと話をしています。窓を開けてさわやかな風をいれて
お花のお水を取り替え、ゆうの写真に笑いかけます。するとゆうも微笑んでくれます。そして
朝ご飯をあげます。ゆうの好きだったものばかりです。
可愛らしい陶器の中にゆうのお骨が眠っています。それを両手で抱きしめ、ほほづりをし、口づけをして
「ゆう・行ってきます。一緒に行こう」・・と言ってから出掛けます。私は、その後姿がせつなくて、
可哀そうで、悲しくて、悲しくて、じっと耐えている自分が「偉いね・頑張れ」と主人と私を
励ましています。 世の中のお父さんお母さんに、私達と同じ悲しみを絶対にさせてはいけない。と
切に切に思いました。
