アマチュア王座決定戦では身体障害者クラスを設置することにしました。

スノーボードの大会ではあまり見かけないこのクラス。
理由は色々あるだろうと思います。
障害の程度による分類やハンディキャップの基準が難しかったり、障害者スポーツ自体よく知らなかったり。

僕自身もやはり分からないことが多く、障害者関連団体様に相談させていただき、色々考え、「まずはやってみよう」ということにしました。

難しいことは一旦、棚上げです。

障害の程度によるクラス分けはしません。
ハンディキャップの設定が難しいので、順位付けを行いません。採点はします。
滑走については自己責任です。


正直、配慮が足りないと思います。しかし、他の誰もやっていないことであり、やってみないことには始まりません。
なにより僕自身が障害のある方の滑りを見てみたい。
手がなくてバランスが取りづらかったり、足に力が入らなくて転びやすかったり、その足りない部分を他の動く部分で補う。
これはきっと他のあらゆる人にとって学びとなることだと思います。



社会においての障害者を考えるとき、道徳感とか親切心とかそういうことではなく、社会の発展にとって合理的に必要なものだと思っています。

中国の故事では、なんの役にも立たなそうな動物の鳴き声の上手なだけの人が、ある集団を救ったという話もあります。
目の見えない人が暗闇では私たちの光になる。

多様性による繁栄。昔の人は分かっていたわけです。人類はそうやって生き延びてきたんですね。


もしくは社会や集団ではなく「私個人」として考えた場合、事故や病気で障害者になる可能性はかなりある。年をとって老いていくのも確実。そうであるなら、障害者が生きやすい社会は「私個人」が生きやすい社会と同義である、と思います。


少し話が逸れました。

とにかく僕は障害があっても工夫をしてスノーボードをしている姿を見てみたい。
そしてそれは、構築物もなくタイムを測る訳でもなくジャンプをする訳でもない、単なるターンをするだけのこの大会だからこそやれることであり、やるべきことだと考えています。

ターンをすることはスノーボードにおいて、最もハードルが低く、しかしとても深い。
年をとっても、ケガをしても、ターンならできる。
僕はターンのそんな所を愛しています。
みんなが帰ってこれる場所。


1月中にはデジエントリーにて、アマ王大会エントリーのお知らせができると思います。
それまでしばしお待ちください。
皆様にお会いできることを楽しみにしています。