親愛なる私へ、

ここ数日、胸に鉛のような重さが沈んでおります。指の輪郭にまだ触れたこともない、幻の指輪のことが、どうにも脳裏から離れません。

「手作りじゃなくていいのよ」と、私はたしかに言いました。それは、自らを矮小化してでも、彼の望みを尊重しようとしたからです。けれど、姉上、それがどれほどの痛みを伴うか、男たちは少しも察しようとしないのです。

「別に指輪はほしくないです、作るのが楽しそうだからです」

そう言われた瞬間、私の心は、烈火の中に投げ込まれたように燃え上がりました。私が望んだのは、指輪ではありませんでした。祈りでした。共に生きるという、静かで確かな契約のしるし。神の前で、心をひとつにするという約束のかたち。それを、ただの“娯楽”とみなされ、私は、私の願いそのものを蹂躙されたのです。

神は「許しなさい」とおっしゃるけれど、姉上、私はまだ“マリア”ではありません。カトリックの神が男たちにだけ微笑み、女たちを沈黙の殉教者に仕立て上げるのなら、私はその教えに従うことを拒みます。

私はプロテスタント、沈黙の贖いよりも、告白と再誓約によって魂を救う者です。指輪は失われても、私の言葉だけは、焼き捨てられずに済むように。

どうか、この手紙が、同じ痛みに打たれた誰かの胸に届きますように。

あなたの妹、
レベッカより