最近彼がものすごくSだということに気付き始めている今日この頃です。
前回お話ししなかった話をしましょうか。
彼の部室にいた先客二人。
そのうちの一人です。被害者になったのは。
彼は悪戯好きなのでしょうか。あんなに輝きに満ちている笑みは見たことがありませんでした。
そして私は悟りました。
彼がSだということを。
それからです。
彼の素顔が明らかになりました。
私に対しても冷たいのです。まるで私を困らせたいかのように。
正直、今までは優しくて、優しくて凄くほんわかとしていたのですが、急に今まで以上に男らしさというか、それに似たようなものを感じました。
前の彼は優しくて好き。
今の彼は男らしくて好き。
どちらも好きです。
今でも冷たいような言動に見えて、それでも優しくて。
今まで知らなかった彼を知るたびに、彼から離れられなくなるようで。
彼なしでは生きていけなくなるようで。
昨日の別れ際では「彼にハマりこんだ」というような感覚さえ持ちました。
昨日もいつもより少し冷たい彼。
私はそんな彼の態度に少し寂しさを感じ、甘えましたが彼の態度はそっけないまま。
そして別れ際。
いつものように改札の中へ入っていくまで見送ろうと思っていた矢先のことでした。
いきなり、彼が私の体を柱の方へ寄せ、深いキス。
それは彼に食べられてしまうような、そんな感覚でした。
思い出してもまだ体が熱くなります。
「これでもまだ不満?」
彼は私の頭を撫でながらその一言を告げ、いつもの優しい顔へと戻りました。
あんなことをされたら、もう全てがどうでもよくなってしまいます。
私はしばらく口の中の彼の感触を反芻しながら、家へと向かいました。




