好きな人に、あまり自分の事について、聞いた事がなかった。

お互いに、すぐに会える距離には居なくて、逢いに行けば必ず、肌を重ねてたし、時々彼女は普段は遠距離とか無理なのに、続いてるって言うからさ、

自分の中では、既に彼女って立ち位置として、接していたんだけどね‥


曖昧な関係が好きじゃなかったし、彼女を出来るなら独占して行きたかったから、つい尋ねてみた‥



『俺の事って、どう思ってる?』

『どうって、かわいいよ』

かわいいってのは、好きとは、違うんじゃないだろうか?

『それって、好きって意味‥とは違うよね?』

『ぁぁ、私には恋愛観念とか薄いからね。君は、素直な気持で言うとかわいい存在』
『ごめんね、恋愛感情があるか?ないか?で言うと、ない!』


やっぱりね、かわいいは好きとは違うんだよね‥
というか、恋愛感情が自分に対して、全くないと言われとは思ってなかった‥

ただ、彼女はそれに付け加えるように‥今は君に対して恋愛感情はないけど、今後次第で変わるか変わらないかわ君次第だよって言ってくれたけど‥ね

無理な気がしちゃうよね、自分意外に自分と同じ位好きな人が他に4人もいるって聞いたしね‥
その中で、自分に対してはっきり恋愛感情がないって言うのだもんね‥

正直、離れた方がいいのかな‥とか
もう、どうせなら諦めて未練醜く、友達として傍にいるだけにしなきゃいけないのか‥とか、考えてしまう。



数日後、彼女から唐突に着た電話に出ると、前に、自分が提案を出した『今居る部屋からの脱出』を受け入れる内容だった
それに伴って、彼女は自分に言った‥
『君だけを選ぶって言うのは今は無理。だけど、君が私の事を皆に紹介する時には彼女として、紹介していいよ。』
これは、どういう意味なんだろう‥?

前に言われた君に恋愛感情は無いって言われた事が頭を横切って、素直に全部は受け入れできなかった‥

自分に対して、恋愛感情が芽生えた証なのか‥
今まで、彼女の為を思ってして上げた気持のお返しなだけなのかな‥

彼女は、ついでに自分の指輪のサイズを教えてくれた‥

それは、やっぱり合図なのかな?
それとも、そう言ってるだけの一時的な感情からの言葉?


なんで、そう言ってくれたのかって言う理由が聞けなかった‥

聞くのが、怖かった‥

未だに、受け入れが完全に出来なくて‥


時間がある時に思い返す度に、理由を考えてしまう‥
たまたま、彼女に渡してたPHSに電話を掛けた。



繋がった‥
繋がったけど、彼女の声は聞こえない‥

どうやら、イヤホンを付けたままにしてたようで、偶然にも繋がってしまったようだった。


暫く、そのままでイヤホンから聞こえる音に耳を傾けていたら、話し声が聞こえた‥


ただ、聞こえたその声は彼女のあえぎ声‥

知らないところで、誰かと肌を合わせてたみたい‥


キツイ‥‥


そう、思ったとき‥
イヤホンの向こうから
『〇〇ちゃんじゃない?』

そう、自分の愛称を口にする彼女の言葉で慌てて電話を切った‥





キツイ‥
そう、感じるのに‥

電話の先で聞こえた彼女のあえぎ声に、ふと欲情する‥‥



そして、‥


やってる相手に憎しみを抱いてるのにね‥

最低だよね‥
人は良く嘘をつくね
悪い嘘から良い嘘まで‥
他人に‥
自分に‥


今日、好きなあの子は友達二人と遊びに出掛けた。

夜に少しだけ連絡があって、それ以降はなかった‥

連絡がなかったけど‥彼女に送ったPHSだけはつながっていた‥

的当な時間に携帯にメールや電話をしたけどでなくて‥
PHSに掛けてみた‥
そしたら、出はしなかったけど‥イヤホンをつけぱなしにしてたのか、つながってしまった‥

話し掛けてみたけど、返事はなかった‥
多分、何処かに置いたんだろうね‥


繋がった先からは、彼女の感じてる声が響いた‥

胸が苦しくなって電話をやめた‥


しばらくしてから、PHSにもう一度掛けてみたら、まだ気付いてなかった‥

イヤホンが拾う音からは彼女と、男の声が聞こえた‥
知ってる人の声だった‥

試しに携帯にメールを送ってみた、すると‥
彼女と知ってる男の声が、自分の名前を発してた
メールに、一応気付いてた‥
けど、返事はない‥


次の日の夜に彼女から電話があって、昨日の話を少し聞いてた‥

そしたら、昨日は夜まで友達二人とカラオケをして、その時に安定剤とお酒を飲みすぎたらしく、友達の一人にお願いして、一人でホテルとって今日の夕方まで寝てたよって、言われた‥

明らかな嘘だった‥

この嘘を指摘するかどうか悩んだ‥

悩んで、とりあえず知らなかったことにして会話を進めた‥

なんで、あんな嘘をつくんだよって攻めたい半分、攻めたら、泣くのがわかってて言えなかった‥


これまでに、気付いてた嘘が何個かある‥


俺は何処まで、その嘘に合わせればいいのだろう‥

何処まで、知らないふりをして、道化を続ければいいのだろう‥


もう、精神も心も砕けてしまえば良いのに‥
そう、願った日だった‥