GW中、ふとしたきっかけで卒業アルバムの話になりました。
家人の分を探していたのですが見つからず、探す必要のない私の分が出てきました。
中学校と高校の分。
小学校の分は見つからず。
1日経って、小学校の卒業アルバムの行方を思い出しました。
中学生の時に転校してきた女の子に貸したまま返ってこなかったんだった、と。
クラスのみんなの小学生時代のことを知りたいとかなんとか言っていて。
私自身も転校を何度か経験しているので、既に関係性が築かれた集団の中に独り入れられることのしんどさは理解できましたが、過去のことをそんなに知りたい?と不思議でした。
最初のうちは断っていたのですが、色々な人に頼んでは断られたそうで、何度も何度もしつこく頼まれ、あまりのしつこさから解放されたくて貸してしまいました。
卒業した小学校には2年もいなかったので思い入れも少なかったこともあり、返ってこないままでも困ることはありませんでした。
ただ、今になって改めて考えると軽率だったかもしれません。
卒業アルバムは個人情報が載るのが当たり前で、悪用なんて考えもしない、そんな時代でしたけど。
後から分かることなのですが、卒業アルバムを貸した彼女は呼吸するように嘘をつき、ありもしないことで周りを振り回す困った子でした。
素行が悪く退学になり、ひっそりと引っ越していきました。
それからは何の接点もなく、正直忘れていたのですが、高校2年の時に卒業アルバムを返したいと急に訪ねて来ました。
返したいというのに手ぶらだったので違和感を覚え、雑談ばかりする彼女に卒業アルバムは?と聞いたところ「次に来る時に返すから10万円貸して」と。
当時高校生の私にとって10万円は手にしたこともない大金でしたので、急に来てそんな大金を?と衝撃を受けたのを憶えています。
しかも無理だと断ると「じゃあ7万…、5万でもいいから」と粘られ。
きっと返す気なんてないんだろうな、ただの金蔓としか思われていないのかな、と哀しくなりました。
彼女があたったのは私だけではなかったそうで。
かつての同級生の何人もが、急に訪ねてきてお金の無心をされた、と。
中学校を退学になった後、進学せずに水商売の世界に入り、お金に困っていると聞きました。
学歴がどうとか言うつもりもないし、職業に貴賤はないと思っています。
ですが、突然現れてお金の無心とは…。
信頼できる相手なら返ってこなくてもいいやと思える額を渡せますが、彼女にはそういう思いは持てず。
連絡先として教えられた電話番号はやっぱり嘘で、全く関わりのないお宅の番号だったようで、数回間違い電話をしてしまい大変ご迷惑をかけてしまいました。
結局それ以来また音信不通となり、卒業アルバムは返ってこないまま。
30年以上前のことではありますが、個人情報が悪用されていないことを願うばかりです。
実家に置きっぱなしの卒業アルバム。
さてどのように扱えばいいのか。
学生時代に良い思い出のない私には正直特に必要のないものですが、個人情報が堂々と載っているのが当然の時期のものなので、慎重にしなければいけないでしょうし。
そんな話を家族としていて、遺品の御焚き上げ的なことを生きてるうちにできるといいね、そう遠くない将来に誰しも故人になるんだし、と何気なく言ったら。
母曰く「亡くなった後だから愛用の品に宿っているであろう念の名残を供養するんであって、生きてるうちなら自分で想いを絶って捨てたらいいじゃない」と。
卒業アルバムは死ぬまで取っておかなければならないと勝手に思い込んでいたことに気づかされました。
今まで断捨離するものの候補に入っていなかったので、きちんと感謝をして断捨離しようと思いを新たにした出来事でした。
それでは、また。