『ノラよ、健在であれ!』
吉行エイスケ『新種族ノラ』より
何者にも捕らわれない、奔放で美しい一人の女性を讃える作品。掌編小説というよりは散文詩でしょうか。
眼かくしというのは偏見の事ですよね。当時の強国には皮肉を、支配される側には美を見出だしている。これがダダイズムというものでしょうか。銀暴落も何のその、ノラの蠱惑的な美しさは渡り鳥のように住み処を変え次第に街を支配して行く。熱狂そのままに終るのも良いですよね。
※作中、当時の時世から差別的な表現が出て来るのでご注意下さい
今回作ったのはノラが好んだというネグリッタラムのバカーデ・カクテールと湯葉で作るハム。それにノラのルーツはカンボジヤとの事なので、タマリンドソースを添えました。
湯葉で作る精進ハムは、今回はお酒と合わせるのが前提なので味付けを濃くしてあります。ハムとは違うものになりましたが、これはこれで美味しいです。
ところでバカーデ・カクテールはカクテルのバカルディの事だと思うのですが、この名前はバカルディ社の登録商標で、バカルディ社のホワイトラムを使作っていない場合はピンクダイキリになるのだそうです。ネグリッタラムはバディーネー社のラム酒と思われるのですが、今回は作中に書かれた通りに作りました。あくまでもバカーデ・カクテールという事で一つご容赦ください。
[2023.08.14]追記
ネグリタラムのメーカー名を誤っておりました。正しくはバディーネー社です。謹んで御詫び申し上げます。訂正致しました。