『誰がこんなものを戸棚の中に入れたのだろう? 何が入っているのか知ら?』



大倉燁子『青い風呂敷包み』より


カフェーの女給・初子が家へ帰ると、閉めて出たはずの窓が開いていた。室内を見廻したが変わったこともない。ブラインドを降して寝てしまおうと戸棚に手をかけたがなかなか開かず、ぐっと力を入れて開くと戸棚から青い風呂敷包みが転がり落ちた。その中には──。
といった風に始まる短編の探偵小説です。読者にとてもフェア。凝ったトリック等は無いのですが、その分リアルな感じがします。山ほど謎解きしている令和のミステリファンはおそらく直ぐにピンと来ると思いますが、昭和12年という時代を感じてそれもまた趣深いです。
ところでこのお話を読み始め素で「なんて?」と言いそうになったのは私だけでは無いと思います。ページ捲って初っぱな『ゴリラ』。一章サブタイトルが『ゴリラ』。



[2023.04.14]追記
リテイク1回目。
今回作ったのは青い風呂敷包みをイメージしたイカ焼きとブラックペッパークッキーのゴリラです。
イカ焼きの生地が青いのはブルーベリー。お好み焼きソースにはフルーツも入っているので合わないことはないだろうと思って作ったのですが、なかなか良いです。青というよりブルーグレーですねこれ。おろし生姜と茄子の漬物でさっぱりピリッとした味変ソースも添えて。
飾り切りを嗜む方は「ああ唐草イカが作りたかったんだな……」と生暖かく見守ってやって下さい。
ゴリラ型ブラックペッパークッキーはピリ辛のおつまみクッキー。バターも有塩のものを使用しています。