『初茸を 掴りつぶして 笑ふ子よ』



小林一茶『八番日記』より



初茸といえばこの俳句。

初茸が緑青色に変化する様を見て子どもが遊んでいる、何気無い幸せな日常を切り取った俳句です。親の優しい眼差しを感じます。この子は幸せものですね。

初茸を知らずにこれを読んだ時は正直申しましてちょっと恐かったのですが、現物を見てみると子どもが喜ぶのも分からなくもないなと。食べ物で遊ぶのはいけないですけどね。少しの衝撃でもみるみる緑青色に変化していくのは青カビ風に見せて食べられないようにする為でしょうか。きのこも生き物なんだと改めて痛感します。



今回作ったのは初茸の煮浸し、初茸の白和え、初茸ふりかけ、初茸ダシのジュレ。

初茸はあえて緑青色に変化させてから煮込みました。今回は初茸の形をそれと分かるように仕上げたかったので丸のままですが、たぶん薄切り等にした方が美味しいです。

白和えにはみじん切りにした初茸を使用。

初茸ダシのジュレはダシにホールのバタフライピーを浸して緑青色にしています。着色料不使用。


緑青色のジュレをあしらったら洋食風になった8割和食の一皿。