『頰につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず』
『不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心』
『潮かをる北の浜辺の
砂山のかの浜薔薇よ
今年も咲けるや』
石川啄木『一握の砂』より
教科書でお馴染みの歌がいくつも載っている歌集です。繊細な情景描写に唸るものから荒ぶる心をそのままに綴られたものまで盛りだくさん。お子さんが亡くなられた頃に追悼の意味も込めて出版されたので、最後の方は哀しい歌で締められています。
個人的には『ある朝の~』や『よりそひて~』が和やかで好きです。『すずしげに~』も素敵。
そういえば、短歌を詩のように書いているのも珍しいですよね。五七五七七で切らずに文章として区切っているからそう感じるのでしょうか。
今回作ったのはヤングコーンと新じゃがと鮭皮の揚げ焼き、ブルーレモンソーダ、砂。
揚げ焼きは下味は付けずに片栗粉を軽くまぶしてあります。さっくさくです。北海道や岩手に関する歌が多いので、特産品を使ってみました。
ブルーレモンソーダは『不来方の~』をイメージしています。上のチョコレートは空に吸はれし、の辺り。
そして本日のメイン、砂。というのは冗談で、浜辺の白砂をイメージしてブレンドした調味料です。
顆粒のみそ、クリーミングパウダー、顆粒の鶏がらダシ、コンソメ等々をごりごり擦り合わせたもの。白砂風にする為にクリーミングパウダー多め。揚げ焼きをこちらにつけて食べるのです。