おはようございます
2020年2月の
星空情報です
2月は、空の低い位置に見られる
天体に注目しましょう
2月10日前後は
日の入り直後の西の低空で
水星を観察するチャンス
水星よりも空の高い位置には
宵の明星・金星が輝いています
月末には
金星に細い月が近づき
美しい眺めになります
また、見ることができる
地域が限られますが
この時期には
りゅうこつ座の1等星カノープスが
観察しやすい時間帯に
南の低空に姿を現します
2月上旬から中旬にかけて
日の入り直後の西の低空には
水星が姿を見せています
水星は、太陽系の一番内側を
公転している惑星です
このため見かけの位置が
太陽から大きく離れることがなく
水星が見つけやすくなる時期は
太陽からの見かけの位置が離れる
「最大離角」前後に限られています
2月10日に水星は
東方最大離角を迎え
日の入り直後の西の低空で
見つけやすくなります
東京では2月7日から14日の間
日の入り30分後の水星の高度が
10度を超えます
他の地域でも大きな違いはなく
この期間は水星を観察できる
チャンスとなります
山や高い建物等で
視界が遮られていると
空の低い位置までを
見渡すことができません
低空にある水星を見つけるためには
西の空が開けている場所を選びましょう
低空に雲のない
よく晴れた日が観察には最適です
夕焼けの残るほの明るい空の中に
水星を探すのは少し難しいかもしれません
そのような時は
双眼鏡を使うと
水星を探しやすくなります
双眼鏡を使う際は太陽を見ないよう
太陽が沈んでから
観察を始めるようにしてください
りゅうこつ座の
カノープス
(マイナス0.7等)は
おおいぬ座のシリウス
(マイナス1.5等)に
次いで全天で
2番目に明るい星(恒星)です
しかし、日本の多くの地域での
カノープスの南中高度
(南の空で最も高くなる時の高度)は低く
見つけにくい星としても知られています
カノープスが見える計算上の北限は
北緯約37.9度、おおむね福島県の北端で
それより北ではカノープスは
地平線より上に昇らず
見ることができません
反対に南の地域ほど
カノープスの南中高度が高く
比較的見つけやすくなります
カノープスは本来は
白く輝く恒星です
しかし、空の低い位置に見える星は
地球の大気の影響で
実際の明るさよりも暗く
赤みがかかった色に見えます
中国では、カノープスを
「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」
と呼び
この星を見ると寿命が延びる
という言い伝えがあるそうです
夜更け前にカノープスが南中する2月は
観察のチャンスです
よく晴れた夜
南の空が開けた場所で
カノープスを探してみましょう
冬の大三角やおおいぬ座の
シリウスを目印にするとよいでしょう
日の入り後の西の空には
宵の明星・金星がひときわ
明るく輝いています
マイナス4等台の明るさで輝く金星は
日の入り直後のまだ明るい
空の中でも目立っています
また、街明かりのある場所でも
見つけやすい天体でもあります
2月27日、28日には金星の近くに
細い月が見えます
明るい金星と細い月は
夕焼けの残る空の中で
美しい眺めになるでしょう
金星や月は
スマートフォンのカメラでも
簡単に撮影することができます
地上の景色を入れる等
構図にこだわって
撮影してみてはいかがでしょう
それでは、またね