夜が錆びてゆき、月は欠けてゆく。
始まりを願っていた。
時計は音を無くす。
やがて、訪れた。
冷めた沈黙は終わることを告げてゆき、赤く凍ってゆく。
ある風景は消え、次第に忘れていく。
行かないで。そう呟いて掠れた文字を撫でる。
深く、溶けていく暗い夜。
夜が錆びてゆき、月は欠けてゆく。
始まりを願っていた。
時計は音を無くす。
やがて指は枝となり、足は地を這う。
夜風に揺れ奇妙な音を奏でた。
長い髪は花をつけ、白く白く染めてゆく。
もう叶うことのない始まりを願っていた。
恐れはいつしか孤独と寄り添い
然るべき場所へと帰られずにいた
あなたはいつしか私と寄り添い
不確かな形をそれでいいと笑った
あなたは、あなたは深く底へ沈み
名もない波間にまた攫われてゆく
私が焦がれた白いその肌が
揺られて、消えていく瞬間を眺めていた
あなたは、あなたは深く底へ沈み
名もない波間にまた攫われてゆく
私が焦がれた白いその肌が
揺られて、消えていく瞬間を眺めていた
形はいつしか全てを無くした
不確かな形にそれでいいと笑った