この話のM女性:川村真弓(仮名)さんは
現在S男性を探しています。
女の肉体のシステム、男の体のシステム
二人のSEXを意識したのか
またはそれほど意識しなかったのか、
このテーマについて、真弓と私は何度も話し合った。
医者である真弓は次のような学説を話した。
女の排卵前後の(男が欲しい)時期は
女は視覚的に男っぽい肉体を求め、セックスをしたくなる。
男っぽい男とは、あごのがっちりした
ごつごつした顔つきで
筋肉質の肉体と
攻撃的な性格の男性。
しかし排卵期が過ぎ安定期に入ると
女が求める男性のタイプは
顔かたちも肉体も女性的で、
性格も穏やかな、
一緒に家事をしてくれるような男性を好むとの話であった。
・・・・・
約束した旅行の日は、
あっという間にやってきた。
美術館のある都市の駅で会い、
ほとんど一日を美術館で過ごす予定だった。
その日初めて、真弓は自分から私に手をつないできた。
ちいさな華奢な手だった。
真弓の体温は、高すぎず低すぎず心地の良い温度に思えた。
黄色の花柄のワンピース。
長い髪をアップにしてピンでとめていた。
首に黒い革ひものチョーカーをしてきた。
私にはそれが首輪に見えた。
そして真弓はマゾに違いないと確信した。
静かに絵を見ながら歩いていると、
いつになく真弓が興奮しているのが解った。
絵の話をしているだけなのに、
真弓は興奮していた。
絵を見ながら私は真弓に質問した。
私:「今日はチョーカーをしているね。チョーカーは好きなの?」
真弓:「気づいてくださっていたんですね。ええ、好きですわ。」
小柄な真弓は私を見上げながら、ほほ笑み続けた。
真弓:「適度な締め付けが、心地いい束縛みたいな感じで・・・」
その返事をきいて、すかさず握っていた手に力を入れる。
真弓にとっては痛いくらいの握りしめ方のはずだ。
真弓はただ、うつむいた。
細いうなじとそこに垂れるおくれ毛が、色気を感じる。
私:「痛かった?」
真弓:「いいえ」
そう答えて、真弓は頬をあからめた。そしてまたうつむく。
まるで、私を誘うような、そんな仕草だった。
真弓:「少し痛いくらいが、貴方がしっかり私を捕まえているような気がして・・・、嬉しい。」
そういった後の真弓は、ほとんど真っ赤になった。
しばらく館内を歩いて、チャンスのできる場所を探した。
二人っきりになれる階段の暗がり。
防犯カメラのないところを見つけ、
私は真弓を強引に引き込んだ。
壁に真弓を押し付け、真弓の口を私の口で塞いだ。
真弓は私の口づけに応え、激しく私の舌を吸った。
息苦しくなって、唇を離すと
真弓の白い歯の間から、赤い舌が見えた。
欲望がとめられなくなり、ワンピースの上から
真弓の胸をわしづかみにした。
真弓が小声で「ああっ」とため息をついた。
真弓:「お願い、私を奪って。私を貴方の物にして」
その言葉に何と答えたか覚えていない。
私はそのまま真弓の手を引いて美術館を出ると、
客待ちをしていたタクシーに乗り、
予約を入れていたホテルに向かった。
ホテルの宿泊カードには、
真弓は私の妻として名前を書いた。
その手元を覗き込み、真弓は微笑んでいた。
ホテルの部屋には真弓を先に入れた。
続いて私が入った。
ボーイを送りだしてから、真弓を振り向くと窓から外を見ていた。
窓のにはレースのカーテン越しに木々が見え、遠くに山が見えた。
外からこの部屋を覗けるようなものは何もなかった。
私が真弓に歩み寄ると、真弓は振り向き、私の胸に飛び込んできた。
真弓:「お願い、私を貴方の物にして。私を奪って。」
これから、私は真弓を奪う。
自分の物にする。
思い切り足を広げさせ、好きな格好させ、
何度も私の肉棒で貫いてやるのだ。
私は真弓を強く抱きしめた。