コンプリートいたしましたので、感想をば。ネタバレしないようにと気をつけても、このゲームを紹介するにはネタバレは避けて通れないような気がします……。一言でいうと、「幻想物語」でした。公式アナウンスは間違っていない、間違っていないのですが!
↓↓↓以下白文字反転↓↓↓
【システム】
TAKUYOは相変わらずシステムさくさくですね。なんかもう他の追随を許さないレベルで快適でした。スキップは早い、クイックセーブ・ロードあります。シーン回想あり、他ゲーではそこ回想に入れる? という細かいところも回想できます。ギャラリーあり。回想・ギャラリーどれも個別で見られます。おまけあり、キャラからのメッセージと立ち絵です。ボイスON/OFFは個別でも全体でも設定できます。主人公OFFももちろん可能です。データインストールあります、わたしはインストール後でしかプレイしていないので分かりませんが、読み込みの時間が変わるのかしら。セーブ時間・ロード時間も早いです。あと一番嬉しかったのが、「次の選択肢までスキップ」! これ、フリゲではよくみるのですけれど、商業では少ないのでとても助かりました。周回プレイ時にいちいち共通ルートスキップって面倒なのですよね。きちんと未読部分では止まってくれました。
タイトル画面にも特定のキャラ攻略後にちょっとした仕掛けあり。テキストを読んでいるときの演出も、SEも素晴らしかったです。メニュー画面のデザインはシンプルで見やすかったですし、システム面でいうことはありませんね。
【スチル・立ち絵】
女の子可愛いです。元々絵師さんがそっち系のようなので、女の子描き慣れているからでしょうね。男性陣も柔らかい印象を受けました。今までのTAKUYOでは一番好きな絵柄かもしれません。スチルにクオリティ差もありませんでしたし、塗りも丁寧でした。立ち絵もそれなりに動きますし、表情もさまざま。ヒロイン露出は顔・パーツ含めて多かったです。あと、ここあんまり要らないかなというスチルも何枚か。乙女ゲームというより、小説の挿絵のような印象を受けるスチルでした。スチル枚数は今回チェックしていませんが、枚数差はあまり感じませんでした。サブキャラにも何枚かスチルありました! もうこれ攻略対象では? というサブキャラには四枚程個別のスチルがありました。もちろん友人のENDスチルもあります。
【シナリオ】
重い。怖い。可愛い。感動。
このゲーム、一章二章と分かれているのですが、各々印象が違います。序章はタイトルのとおり「死神と少女」の出会い。幻想的です。二章はオチがぞくっとする。一つ一つの出来事を主人公と仲間たちが解決していく、という感じでした。別に推理モノでもないのですが、強いていうならミステリー・サスペンス?
従来の乙女ゲーは会話が中心でしたが、この作品は地の文がそれなりに多いです。主人公モノローグですね。主人公がアクが強いので、ここで賛否両論かもしれません。もちろん会話もたくさなりました。TAKUYO恒例のキャラ同士の掛け合いなどは賑やかで良かったです。確かにシリアス路線なのですが、学校にいるときは普通の生徒として過ごしているのでなんとか乗り切ることができました。あのお昼の時間がなかったら精神的にバテてしまいそうです……。話がすごく作りこまれていて、重い内容も多いので息が詰まるのです。主人公も妙に冷静なので、読み手は置いてけぼり感があるかもしれません。
本当幻想物語、といって差し支えない内容でした。悲恋、暗い、ミステリーが好きな方なら楽しめると思います。間違っても乙女ゲー要素を期待しすぎると負けてしまいます。ちょっと鬱展開があって分岐のあるラノベを今から読むぞ、くらいの心意気でプレイするとショックは少ないかと。
けれど面白くないわけではないです。むしろ乙女ゲーではないんだ、と割り切ってプレイするとそれなりに楽しめました。考察好きな方にはおすすめです。
【キャラ】
主人公は決して無個性ではないです。見た目から受けるおとなしいという印象は忘れ去ったほうが良いです。「感情派、悪い意味でお嬢様、依存」、このキーワードを忘れずにいれば、なんとか。かくいうわたしは始め、主人公にどうしても感情移入できなくて一ヶ月程このゲームを放置していました。個性が強いヒロインは嫌いではないのですが、合わなかったのですね。まあゲームを進めていけばなんとかこの性格にも納得できました。
他のキャラは公式アナウンス通りの性格でした。日生は明るいお調子者に見えるけれど実はキレ者。桐島は真面目で頼りがいがあるタイプ。遠野兄は妹を誰よりも思っていて、すこし愛情過多。蒼は感情を表すことが得意ではないけれど、ときどき優しい。
間違っちゃいない、間違っちゃいないんだけれども! 正直これはゲームをプレイしてみないと合う・合わないは分からないと思います。わたしは日生が……END的に無理でした。彼を攻略しているとき意外は良い先輩だと思います。それと、桐島は大分贔屓されていました。桐島の設定を考えると仕方ないのですがね。夏目は辛辣、夏帆はベタ甘で友人キャラも釣り合いがとれていたと思います。
【全体】
フルコンプには精神力を多大に使います。休みながらがんばってください!
カウンセリングをしているというより、カウンセリングをされるゲームでした。ちょっとシリアスな小説を読みたいときにどうぞ。
わたしが地雷になりうると思った箇所をあげておきます。多大なネタバレにはなっていない、はず。
・主人公が精神不安定、美少女、それなりにageられている
・実は○○、というキャラが多い
・主人公・攻略対象が死ぬENDがある
・微エロ(があるキャラがいる。エロいかどうかは個人の判断)
・暗い、重い、幻想
それでは長文失礼しました!