ケーズデンキやヤマダデンキなど大型店には太刀打ちできない。ネット通販でも安く買える。だから街のでんきやさんがどんどん姿を消していく。懐かしいナショナル(今はパナソニック)や東芝、日立のマークが誇らしげに店の看板と共に掲げられていたものだ。

 

✴︎電気ももうかなり前に店を畳んだ。それでも店主は地元の要請に応え、石油ファンヒーターやビデオデッキなどの修理を請け負う。修理代は石油ファンヒーターの場合1台4,000円だ。腕は確かだ。細かい電子部品などを取り換えたりし、ほとんどの場合直してくれる。

 

石油ファンヒーターの故障は素人には手に負えない。できるのはせいぜい、本体が熱くなり燃焼がストップした時、裏側にあるフィルターを取り外しほこりを拭き取るぐらいだ。

 

エラーコードで古い灯油を使ったための故障とわかっても、新しい灯油を入れ直すが、故障は直らない。そうなると素人ではもうお手上げだ。

 

水が混入したことによる故障も同様だ。「灯油受け皿からスポイトなどで灯油を全て抜き取り〜」と書いてあるが、それが簡単にはできない。全て抜き取ったと思っても、その後灯油を入れスイッチオン、しかし全然直っていない。

 

購入後1年以内なら店からメーカーに送り修理してもらえる。しかし、保証期間を過ぎると基本料金+修理代で1万数千円〜2万円ほどになる。本体購入価格と同じぐらい の修理代がかかるとは馬鹿らしい。だったら新しいのを買った方がいい。

 

そんな時、私がよく行く元・街のでんきやさん✴︎電気は1台4,000円で直してくれる。今まで何台も直してもらった。全く電源が入らず数年間も放置していたファンヒーターも4,000円で直してくれた。これは本当にありがたい。

 

今日も古いファンヒーターを1台持ち込んだ。

「ああ、これはダイニチの製品ですね。これと同じものは今はもう作っていないと思います。2時間ぐらいかかりますが、見ておきますね。」

 

午後に修理終了の電話が入り、取りに行く。端子のような物を見せられ、「これが不良でした。応急処置的に代わりの物を取り付けました。安全装置は働いていますので、高温になるとか不完全燃焼を起こすなど危険なことはありません。しかし、もしもう一度同じ不具合が生じたときは寿命と思ってください。今日は代金1,000円でよろしいです」

 

家に持ち帰り、その後正常に燃焼している。火力も普通に強い。灯油の臭さもない。ありがたい街のでんきやさん。