筆殺仕事人
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「スパイダーマン」

今日は久しぶりの休みである。離れて暮らす一人息子が泊まりがけでやって来た。

日頃、親らしいことをなにもしてやれてないから今日だけは息子だけを見て過ごそう。

息子が一緒に映画を見に行こうとやって来た。

何が見たい?と聞く。返ってきた返事は…ゲゲゲの鬼太郎である。

ふっ…まだ子供だな。

今、鬼太郎を見に行く電車にゆられている。

よし、鬼太郎のあとスパイダーマンも見よう。

そんな一人息子の名は…「宏隆」

「金」

どんなに綺麗事を言っても世の中は金が全てである。

金を持ってる奴には敵わない。

脱サラし事業に失敗した俺には家族という温もりがない。両親健在だが何もしてあげることが出来ない。情けない。借金を返済するまでは両親に顔向けできない。かなり前に離婚したが子供は引き取った。働かなければ食っていけないから働く。子供と過ごす時間なんてほとんどない。気づいてみれば、彼はもう高校生である。親に気を遣う優しい奴である。親にも子にも頭があがらない。

最近世の中はおかしい!

なぜあんなに簡単に人を殺せる?自殺できる?俺なんか死にたくても死ねない。死ぬ勇気がない?死ぬのに勇気などいらない。病に侵されてない限り親より先に死ぬわけにはいかない。

…毎日、仕事で12時間も立っていると色々と考える。

そうそう、例の男が今日も来た。相変わらず豪快な喋りである。彼に一人の男を紹介された。歳のころは65くらいだろうか…昔は道を極めていたであろう、鋭い眼が物語っていた。なぜか携帯番号を交換させられた。正直、少しビビっていた。

仕事が終わり家に帰ると電話が鳴った。

彼である…

「毎月さっきのおっさんから電話くるはずだから金受け取りに行ってや」「は…はぁ。その金どうすればいいのですか?」「お前が自由に使っていいから」って…

どう言うこと!?

彼の名は…「誠二」

出会い

俺は今、とある田舎町のパチンコ店の警備員をしている。色々と言う言葉で片付けてしまうが昨年末から縁あって畑違いのこの職についた。

雨の日も風の日も、そして炎天下の日も毎日12時間をそこで過ごす。お客さんから通行人まで様々な出会いがある。

今日、そこで出会った中の一人から食事に誘われた。気っ風のいい男気のある男だ。ありふれた言葉だが運命を感じた。如何せん年下なのが己れのプライドを刺激する。上になるか…下につくか…今の俺では到底勝てる相手でないのに気づくのに時計の針が動く必要はなかった。

今夜、決めた。間違っているのかもしれないが、今の俺にこの掛けに乗らないと言う選択肢はなかった。

明日、目が覚めたら俺は生まれ変わる。俺の名は「翔」。彼の名は…。