最良な判断
前回の話の中で なぜオレに恋愛相談を持ち掛けたのか
という疑問の答えがあると話をした。
そこで相談者には 現状を把握したいタイプとそうじゃないタイプの
2種類を大まかに分類し 前者の説明をしたところで終えたのである。
さて 今回はその後者のタイプ『そうじゃないタイプ』の話しである。
このタイプの人間は非常に不可解な点が多いことがわかる。
いくつか例に挙げられるが その中でも最も多いのが「どう思う?」
この疑問である。
相手が自分をどう思っているのか。ということなのだ。
まず 相談の冒頭文は ほぼ決まって相手のしぐさや言葉
自身に対する態度。ライフサイクルや癖などを延々と話した後に
「自分の事をどう思ってると思う?」もしくは「脈あると思う?」である。
確かに。多くの人が思うだろう。
何が変なん?それがわからないから意見を聞いてるんじゃないか!と。
だが よく考えて貰いたい。
1番接している本人にわからないのだ。
どうしたら全く接点のない。話したこともない。顔も知らない。
そんな相手の気持ちをオレが推察してやれるのだろうか。
結局 オレだったらと『IF』という凄く偏った主観的な意見でのみ
回答するほかないのである。それでいいじゃないかと言われればそれまでだが
オレとその対象者は もちろん別人である。
産まれた場所もこれまでの環境にしろ経験にしろ考え方だって違うだろう。
そんな人間の極めて主観的な意見など リサイクルのできないゴミである。
こんないい加減で無責任な話を 相談の答えとして言わざるを得ないのである。
もちろん 運よく当たる事もあるだろうが しかしそれは例の如く占いと同等の力で
『たまたま』当たったに過ぎない。
だとすれば わざわざお互い時間を使わずとも雑誌の後ろでも読むなり
占いの本を買うなりすれば済む話なのではないだろうか。
もっと経済的にも時間的にも浪費を回避するなら
コインや花なんかで決めればいいことである。
しかし これはまだかわいい方なのだ。
この手のタイプには 既に自分の中で結論が出ている。
こんな人間も少なくはないのである。
これは最も恐ろしい部類の相談内容になるだろう。
話の流れが堂々巡りで いつまでたっても終わる事がないのだ。
相談者から聞いた話を理解し 自分の経験を元に意見すると 十中八九否定される。
そして話は逆戻りとなるのだ。壊れたDVDでも見てるかの様である。
結局 自分に賛同して欲しかったり 自分の考えが正しいと認めて欲しかったり
単純に頑張ってと声を掛けて欲しかったりするケースが非常に多いのだ。
それはつまり相談相手がオレでなくても やろうと思えば誰にでもできる事なのだ。
つまり 前回の答えはここにあって
得てして相談の多くは答えやアドバイスが欲しい訳ではない。
単純に自分の話を聞いてくれる誰かが必要なだけで 寂しい老人と同じ感覚である。
話した事で気持ちをリセットする。これも一種の自己満足の世界である。
そこに偶然オレという存在があり 偶然話したに過ぎないのだ。
別にその相手がオレである必然はそこには存在しないのである。
最も批難される言い方を敢えてするのであれば
相談者の自己満足に付き合わされているだけと言えるだろう。
しかし 相談を受ける側の心構えとして それを受け入れるのもひとつであるが
親身に考えてアドバイスをしたつもりが なんの参考もせず事態が悪化した後に
再度 相談をする様な真似だけは絶対にしてはならないのである。
「だから言ったやろ」
こう思われるのが関の山で そんな人間の相手をするのは
疲れるのひと言につきるのである。
いずれにせよ。
相談に答えなんてものは限られている。
こと恋愛相談に関して言えば 正解はないに等しいだろう。
どんなに人と話しても何をどうすればと悩んでも
最後に決断するのは自分以外にはいないのである。
であれば その判断でいかなる結果を招こうとも
間違った判断でなかったと思って貰いたい。
その決断がなによりも最良であったのだと。
