smoke blue theater

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映画の記録。たまにネタバレしたり、しなかったりします。

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サイド・エフェクト
原題:
Side Effects 2013年 アメリカ 106分
監督:スティーヴン・ソダーバーグ 脚本:
スコット・Z・バーンズ
出演:
ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム


●ストーリー・概要(映画.comより)

スティーブン・ソダーバーグ監督が、薬の副作用が招いた殺人事件と、その事件に潜む陰謀を描いたサスペンス。幸福な生活を送っていたエミリーは、夫がインサイダー取引で収監されたことをきっかけに、かつて患ったうつ病が再発。精神科医のバンクスが処方した新薬により、うつ症状は改善されたものの副作用で夢 遊病を発症し、やがて無意識状態のまま殺人を犯してしまう。主治医としての責任を問われ、社会的信頼を失ったバンクスは、エミリーに処方した新薬について 独自に調査を開始。やがて衝撃的な真実にたどりつく。バンクス役のジュード・ロウ、エミリー役のルーニー・マーラほか、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、 チャニング・テイタムら豪華キャストが集う。ソダーバーグの社会派作品「インフォーマント!」「コンテイジョン」も手がけたスコット・Z・バーンズが脚本を担当。

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お薬は、容量・用法を守り正しく服用しましょう

サイド・エフェクト=副作用です。
うつ病に悩む女性(ルーニー・マーラ)が、錠剤の副作用のせいでとんでもない事件を引き起こし、さらに薬を処方した精神科医(ジュード・ロウ)も事件に巻き込まれ…というお話。
『ドラゴン・タトゥーの女』とはうって変わって女性らしいルーニー・マーラが可愛かった。スカートとか履いてたしさ!可愛いんだけど、絶妙な病み加減がナイスでした。
セクシーな女医を演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズもとっても素敵。
ひっつめ髪に眼鏡が… 似合い過ぎだよ!

ストーリーは先が読みづらく、何が起こるのかとドキドキ。
最初はどっぷりと主人公(マーラ)に感情移入するのだけど、話が進むにつれ「あれ?この人なんか変」と
だんだん彼女が胡散臭く見えてくるんです。
そして中盤からいつの間にかすっかり医師(ジュード)の目線に切り替わっているところが面白い。

それにしても海外の映画とかドラマで、何らかの薬を飲むシーンってやたらと出てくるような気がします。
皆いろんな薬の名前知ってるし~。
薬って、そんなしょっちゅう飲んでいいものなのか!?
ふだん年一回か二回風邪薬を飲むだけの身としては、なんだか縁遠いストーリーだな…と思いました。





















原題:
La Grande seduction 2003年 カナダ 110分
監督:ジャン=フランソワ・プリオ 脚本:
ケン・スコット
出演:
レイモン・ブシャール、デヴィッド・ブータン、ブノワ・ブリエール、ピエール・コラン、ルーシー・ローリア、ブルーノ・ブランシェ、リタ・ラフォンテーム、クレモンス・デロシェ、ドナルド・ピロン、ケン・スコット


●ストーリー・概要(映画.comより)

カナダの小さな島を舞台に、青年医師と島の人々のユーモラスな交流を描いたハートフル・コメディ。監督は、本作が初の長編映画となるジャン=フランソワ・プリオ。過去にはCM業界で多数の作品を手がけ、カンヌ広告映画祭でシルバーベアー賞を受賞したことがある。
カナダ・ケベック州の小さな島、サントマリ・ラモデルヌ島はかつて漁業に栄え、活気に溢れていた。しかしその繁栄も虚しく、いまやほとんどの島民はわずかな失業手当に頼る生活を余儀なくされている。ある日、この島に大規模なプラスチック工場誘致の話が持ち上がる。狂喜乱舞する島の人々。これで、みんながまた仕事に就ける! しかし、工場建設には1つ重大な条件が…。それは「島に定住する医師がいること」。慌てふためく島民たち。そう、サントマリ島には「お医者さんがいない」のだ!島民たちはもう4年以上、医者に会ったことがない。困り果てたその時、本土に行ってしまった元 町長の協力で、一人の若き青年医師クリストファー・ルイスが島にやって来ることになった。これぞ絶好のチャンス!なんとかしてドクター・ルイスに島への 定住を決意させなくては…。そのためにはサントマリ島がいかに素晴らしく、理想の島だということをアピールしなければならない。なんとかルイスに島を気に 入ってもらおうと、町長のジェルマンを筆頭にアンリやイヴォンら島民たちは頭をひねり一致団結。いよいよ愛する島を救うための、ウソで塗り固めた大芝居が始まる。

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島民の団結力を見よ!

島民のほとんどが生活保護で生活(そんなことあるの?)しているので、
職場としてプラスチック工場ができれば大助かり。
そんなわけで、みんなとにかく必死に誘致活動を行うのです。
しかし問題は山積みで…
工場建設の条件として、やはり一番には「医者がいること」なのですが、実は他にも色々あった。
例えば人口が220人以上必要なのに、なんとこの島は人口120人(全然足りてなーーい!)。
120人を220人いるように見せかけるべく、島民総出で大移動するシーンが笑えました。
いやいや凄すぎるでしょ町長の指揮力!そしてあっぱれな島民の団結力

こういったかなり強引な計画のおかげで、最後の方ではやっぱり真実が医者にバレてしまいます(無理もない)。
今まで騙していた相手にむかって、なぜか逆ギレ気味に町長が吠えます。
金(生活保護)を受け取る度に、わしらは誇りを失ってゆく」と。
ちょっと心に刺さります。でも、そのお医者さんは完全に被害者だってーの!

冒頭シーン(まだ島が漁で生活できていた過去の話)とラストシーンが上手くつながっていて良いかんじでした。





















バンク・ジョブ
原題:
The Bank Job 2008年 イギリス 110分
監督:ロジャー・ドナルドソン 脚本:
ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
出演:
ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、リチャード・リンターン、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ダニエル・メイズ、ピーター・ボウルズ、キーリー・ホーズ、コリン・サーモン、ジェームズ・フォークナー、デヴィッド・スーシェ


●ストーリー・概要(映画.comより)

1971年のイギリスで実際に起きた王室スキャンダルに関わる銀行強盗事件を「13デイズ」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン監督が映画化。借金取りに追い立てられる毎日を送るテリーのもとに、昔の恋人マルティーヌが現れ、銀行強盗の話を持ちかける。テリーは愛する家族のためマルティーヌの計画に乗るが、その話には裏があった……。主演は「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイサム。共演にサフロン・バロウズ、デヴィッド・スーシェら。

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裏切りは女のアクセサリーのようなもの……とか言ってる余裕はない。

登場人物の配置が、『ルパン三世』にそっくり。
ステイサム兄貴がルパンだとして(ハゲてはいるが、もみあげのラインが奇跡的に一致)
峰不二子的な魔性の女も出てくるし、
年齢もタイプも違うが、銭形のとっつぁん的ポジションの人もいるー!
大きく異なるのは、ルパンが妻子持ちってところでしょうか。おまけに借金苦
本家のルパンは優雅でイカした気ままな暮らしですが、ステイサムルパンはとにかく必死。
だって稼がなくっちゃ、家族のために!
だから仕事だって超真剣!ふざけている余裕なんてないんだよ!
と、何だか凄く色んなものにがんじがらめ
こんな必死なルパンは嫌です。

さて、峰不二子的な女にそそのかされ結局銀行強盗することになったのですが、
隣の建物から穴を掘って侵入するという、
ベッタベタな計画をたてるステイサム兄貴(70年代設定だから?)。
ルパンもよく穴掘ってたけどね。
漫画みたいだけど、実際に起こった事件の映画化だそうですよ。
本当にこんなに上手くいくもんなの!?
そして実話らしからぬクッキリとした起・承・転・結でしたけども。
いかにも映画的というか。
おかげでけっこう楽しかったですが…(じゃあ、いいじゃん)。

あと、女性陣の70年代ファッションがお洒落で素敵でした。
1stシリーズの不二子ちゃん、こんなかんじだったよなあ。


















ワン・デイ・イン・ヨーロッパ
原題:
One Day in Europe 2005年 ドイツ・スペイン 95分
監督・脚本:
ハネス・シュテーア
出演:
ミーガン・ゲイ、ルドミラ・ツベートコバ、フロリアン・ルーカス、エルダル・イルディズ、ペーター・シェラー、
ミゲル・デ・リラ、ラシダ・ブラクニ、ボリス・アルクワイヤ


●概要・ストーリー(映画.comより)

世界中のサッカーファンが熱狂するヨーロッパのチャンピオンズ・リーグ決勝戦の日に起こった4つのエピソードからなるオムニバス・ドラマ。試合が行われる ロシアのモスクワ、チームの地元であるトルコのイスタンブールとスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラ、さらにドイツのベルリンを訪れた4組の外国人 旅行者が様々なトラブルに巻き込まれる姿を、文化の違いやサッカーへの情熱を交えながらユーモアたっぷりに描き出す。

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警察が当てにならない日

”出演者一人残らず誰も知らない”というマイナー映画が、けっこう好きだったりします。
知ってる人が一人もいないってことが、まるで異国に旅した気分にさせてくれるからなのか。

『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』もそんな作品。
サッカー決勝戦の日、旅行者が荷物を盗まれるといういずれも同じシチュエーションのドラマを、
国と人を変え描いたオムニバスです。
最後のエピソードを覗き、ほぼ全部
①荷物が盗まれる ②警察に届ける ③警察で盗難の手続きを踏む
という同じ流れ。
もちろん登場人物や手段などはそれぞれ違いますが、同じ話なだけに途中でちょっと飽きてしまうかも?
でも、言葉が通じなくて噛み合わない会話劇はどれも愉快です。

どの国でも警察はサッカー観戦に熱中し、盗難届の手続きはスムーズに行きません。
「ちょっとここで待っとれよ」とか言いつつ、奥の部屋でサッカー中継を観てるんですよ!
ワールドカップの間とか、実際こんな感じなのかしら?

まあ旅行者の皆さんはさんざんな目に遭っているのですが、一番可哀想だなと思ったのは3番目のエピソードに出てきたスペイン巡礼者のオジさん
ようやく辿り着いた巡礼の終着点・サンティアゴ・デ・コンポステーラにて、自分を入れた記念写真を通りすがりの人にお願いするオジさん。
カメラを手渡して、「これこれ。この建物もちゃんと入れてね」とかなんとかやってる内に
案の定カメラが持ち逃げされてしまう!!
なぜ現地人に渡すんだオジさんよ…
急いで警察官に事情を話すも、あちこち連れ回された後「戻ってこんから、あきらめろ」的なことを言われてしまいます。酷い!
立派なカメラそのものを盗られたことより、今まで撮りためた旅の記録を失ってしまったことに絶望するオジさん。
先日観た『星の旅人たち』という映画のおかげで、巡礼の大変さを知った(映画観ただけだっての)私には、オジさんの気持ちが痛い程分かった!
オジさんの分までギリギリと悔しさを噛みしめました。

しかしサッカーって、どこの国でもホント人気なのですね。


















原題:
The Usual Suspects 1995年 アメリカ 105分
監督:ブライアン・シンガー 脚本:クリストファー・マッカリー
出演:スティーヴン・ボールドウィン、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ、ケヴィン・ポラック、ピート・ポスルスウェイト、ケヴィン・スペイシー、スージー・エイミス、べニチオ・デル・トロ、ジャンカルロ・エスポジート、ダン・ヘダヤ、ピーター・グリーン


●概要・ストーリー(映画.comより)

5人の悪党が集まった犯罪計画の顛末を、トリッキーかつ巧緻な構成で描いたクライム・ミステリー。「パブリック・アクセス」で93年度サンダンス映画祭グ ランプリを受賞した監督のブライアン・シンガー、脚本のクリストファー・マックァリーの新鋭コンビの第2作で、95年度同映画祭に招待上映されて以降、世界各国でロングラン・ヒットした。
ある夜、カリフォルニアのサン・ペドロ埠頭で船が大爆発。コカイン取引現場からブツを奪おうとした一味と組織の争いが原因らしい。27人が死亡、9100 万ドルが消えた。生き残ったのは2人。しかも1人は重傷で、関税特別捜査官のクイヤン(チャズ・パルミンテリ)はただ1人無傷で生き残った男、ロジャー・ “ヴァーバル”・キント(ケヴィン・スペイシー)を尋問する。……

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これが「ユージュアル・サスペクツ的」ってやつか。

今時!?…って、自分でも思いました。
タイトルは知っているけど、観ていない作品だったので。
映画評などで、「ユージュアル・サスペクツ的な~」と言ったりしますよね。
わからん。観てないから」と完全スルーしていましたが、それが今回やっと解消。

クライマックスの鮮やかなどんでん返しには舌を巻きます。
ただ単に、犯人はお前だ!ドーーーン!!(←笑ゥせぇるすまんですか)
と豪快に一発ネタばらしをかますのではなく、
数分前からジワジワと「あれ?あれ?もしや?もしや?」と気付かせる、
真実をチラつかせてくるあの感じ、たまりません。
なんていうか、もうテクニシャン!
こちらが確信に至るまで、凄くドキドキする時間があるんですよねー。
そして、決定的なあのシーン。
あの人がああなったあのシーン(←いや、全然わかりません)。
良かったです。ちょっとゾクっとしました。

結末を知ってからもう一度頭から観返してみると、其処此処にヒントが落ちているので、各シーンを検証していくのも楽しそう。
ただこの二度観て楽しいタイプの作品って今はたくさんありますよね。
類似作品に慣れてしまったせいで、驚きが半減してしたのがちょっと残念…
制作は95年だもんなあ。リアルタイムで観てたらもっと「こりゃ凄い」と思えただろうに。
とはいえストーリーの流れは素晴らしいし、構成は見事だし、間違いなく面白い部類でした。
ネタバレを含めて語ると非常に長くなりそうなので、それはやめときます。




























原題:
Le Diner de Cons 1998年 フランス 80分
監督・脚本:
フランシス・ヴェベール 
出演:
ジャック・ビルレ、ティエリー・レルミット、フランシス・ユステール、ダニエル・プレヴォスト、ペトロニル・モス


●概要・ストーリー(映画.comより)

バカな人間を招待しては仲間同士で笑いモノにする晩餐会を主催するブロシャンと、そこへ招待された税務局勤めのピニョンとのやり取りを小気味よく描くコメディ。監督は「メルシィ!人生」のフランシス・ヴェベール。ゴダール作品にも出演する喜劇俳優ジャック・ヴィルレ主演。
編集者のピエールは、毎週水曜日、友人にそれぞれ一人づつ身近の奇人を連れてこさせ晩餐会を開いていた。そして今夜ピエールが選んだのは、税務署に勤める お喋り男ピニョン。そんな主催者の悪意も知らず大喜びで晩餐会へ赴くピニョン。しかし、この日に限ってピエールはゴルフで腰を痛め、おまけに妻は愛想を尽 かして家を出てしまった。晩餐会は中止になったものの、奇妙な夜は刻々と更けていくのだった…。

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奇人を笑う者、奇人に泣く

友人同士で、とっておきの奇人(映画内では常に”バカ”と呼称。それも酷いわい)を連れて来て晩餐会を催すという王様みたいな遊びがマイブームな主人公ピエール。
この時点でちょっと腹立ちます。なんて傲慢なやつ!

よりインパクトのある奇人を探していたところ、偶然出会ったのがピニョン氏。
見た目の可笑しさもさることながら、マッチ棒で模型を作るのが趣味という、ザ・パーフェクト・奇人
しかし正直、私にしたら「そこまで変か?」という感じ。
確かにビジュアルは…まあ面白いですが、ちゃんと真面目に働いとる普通のオジさんじゃねえかと。
趣味で模型作ってたっていいじゃないと。今の時代、もっと変な人いるじゃあないかと。…どうでしょう?
オタク気質な人も受け入れられるようになった今だから、違和感を感じるのかしらん。

とにかくピエールにはピニョンがハマったらしく、すぐさま晩餐会にご招待。
な~んの疑問も抱かず、喜んで招待を受けるピニョン。…行ったらいけないよ、そんなクズ男のとこにさ!
晩餐会の前にまずピエールの自宅を訪れたピニョンは、そこで天然ともいえるバカっぷりを発揮し、結果ピエールはめちゃめちゃに振り回されるハメに…というお話。
途中からはずっとピエール自宅内の密室劇で、2人のやり取りが最大の見どころです。
全く空気を読めず、やることやること裏目に出てしまうピニョンは、確かに見ていてイライラするのですが、
どっちかっていうと冒頭からピエールの傲慢さにムカついていたので、痛快でした。
人を笑った報いさ!

『奇人たちの晩餐会』というタイトルながら、結局晩餐会のシーンは一回も登場しないというのがミソ。
面白さを80分という短い時間にキュッと凝縮した作品です。















原題:
Albert Nobbs 20011年 アイルランド 113分
監督:ロドリゴ・ガルシア 脚本:グレン・クローズ、ガブリエラ・プレコップ、ジョン・バンビル

出演:
グレン・クローズ、ミア・ワシコウスカ、アーロン・ジョンソン、ジャネット・マクティア、ブレンダン・グリーソン、
ジョナサン・リース=マイヤーズ、ポーリーン・コリンズ、ブロナー・ギャラガー、ブレンダ・フリッカー


●ストーリー・概要(映画.comより)

「彼女を見ればわかること」「美しい人」のロドリゴ・ガルシア監督が、自由を得るために男性として生きなければならなかったひとりの女性の姿を描いたドラマ。主演のグレン・クローズは2011年・第24回東京国際映画祭の最優秀女優賞受賞(映画祭上映タイトル「アルバート・ノッブス」)、第84回米アカデ ミー主演女優賞ノミネート。
独身の女性が自立して生きることがまだ許されていなかった19世紀アイルランドのダブリン。人付き合いを避けて静かに暮らす内気な執事アルバートは、貧しく孤独な生活から逃れるため、性別を偽り男性として生きる道を選んだ女性だった。しかしある日、ハンサムなペンキ屋のヒューバートと出会ったことから、アルバートは自らを偽り続けて生きることに悩み始める。

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生きるために、男であることを選ぶ

お屋敷の執事アルバートさん。
冒頭シーンにて、周囲への気配りが抜群で仕事のできる人物だということがよく分かります。
このアルバートさん、実は女性。
面差しは確かに「あ、女性だな」という感じなのですが、基本的に小柄なおじさんにしか見えません。
見事な役作りだなーと
思っていたら…!

その後登場するヒューバートという人物のせいで、このアルバート氏の男装が霞んでしまうという事態に。
というのも、実はこのヒューバートもアルバート氏と同じ「男装」の女性だったんですが、
悲しいかなこちらの男装っぷりの方が、はるかに凄いのです。
まず、そのガタイ!
背丈は、ぱっと見180センチくらいありそうだし、肩幅も広ーい!声も低ーい!
大柄な役者さんを選んだんでしょうが、男性的演技も見事でした。
タバコを吸う仕草とか、完全に男ですねー。

アルバート氏が、男でいることに若干のやりづらさを感じているように見える一方、
ヒューバートは実にリラックスしており、男の人生を楽しんでいるように見えます。

そんなヒューバートと仲良くなる内、自分の素直な気持ちについて考え始めるアルバート氏。
それは、同じお屋敷で働くメイドのヘレン(ミア・ワシコウスカ)への密かな恋心
って、ちょっとちょっとアルバートさん?
あなた生きるために男装しているんじゃなかったか?女性が好きなの?どういうことー!?

と面食らったのですが。
きっとアルバート氏は長いこと男性としての人生を生きているうちに、自分自身を見失ってしまったのだろうと、無理やり解釈をつけることにしました。
それがあの悲しいラストシーンにつながってくるのかしらと。

それにしても、最近観る作品にやたら出てくるミア・ワシコウスカ
選んだらついてくるんですよミアが!おまけのように!
頑張ってんな~ミア。好きですミア。













原題:
The Boat That Rocked 2009年 イギリス 135分
監督・脚本:
リチャード・カーティス
出演:
フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ、リス・エヴァンス、ケネス・ブラナー、ニック・フロスト、
トム・スターリッジ、クリス・オダウド、キャサリン・パーキンソン、リス・ダービー、ウィル・アダムスデール、トム・ウィズダム、トム・ブルック、アイク・ハミルトン、ラルフ・ブラウン、タルラ・ライリー、ジェマ・アータートン、ジャニュアリー・ジョーンズ、エマ・トンプソン、ジャック・ダベンポート、シネイド・マシューズ


●ストーリー・概要(映画.comより)

ビートルズやローリング・ストーンズが人気を博し、ブリティッシュ・ロックが全盛期を迎えた1966年のイギリス。領海外に停泊した船からロックを24時間流し続け、人々に熱狂的に支持された「海賊ラジオ局」を舞台に、ポップ・ミュージックに情熱と愛情を注ぐDJたちと、彼らとともに暮らす人々を描いた群像劇。監督・脚本は「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス。フィリップ・シーモア・ホフマン、リス・エヴァンスらが個性的なDJに扮する。

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海賊船から、ロックをお届け!

いや~、楽しい!楽しくって、おもわず2回観ました。
そこそこ長いんですけどね。テンポが良く、終始ノリノリのロックが流れるため、あっという間に感じます。

時は1960年代のイギリス。
ビートルズとかローリングストーンズとかキンクスが音楽業界を席巻したロック全盛期でありながら、
ラジオでロックやポップスが流れるのは一日たった45分
政府が民放のラジオ局を認可しておらず、時間を制限しているのです。
お固いBBCラジオでやってるのは、クラシックとかジャズばかり。
当然、国民皆「ロック流さんかい!ビートルズかけんかい!」と思っているわけですが…。
そんな世間の声に応えるべく、船上ラジオ局「ラジオ・ロック」では法の目をかいくぐり、海上から24時間ぶっ通しでロックを流していた!
当然ながら大人気!そりゃ、みんな聴くよね!

「ラジオ・ロック」では何人かのDJが時間ごとに交代でコーナーを担当しているのですが、どいつもこいつも個性的で面白~い!
デブなのになぜか女性にモテモテなDJとか、バカが売りのDJとか、
早朝番組を担当してるので誰もその姿を見たことがない幻の(?)DJとか、
さらにはDJのくせにほとんど喋らない無口なDJなんてのもおります
(正確には、セクシーすぎるあまり一言呟くだけで女子メロメロという…)。
そんなDJたちをまとめる船長はビル・ナイさ!
そんでもって皆同じ船上で生活してるんです。
つまり『ONEPIECE』のクルー達が、サウザウンド・サニー号から交代でラジオを流しているようなもの(←じゃあ、ビル・ナイがルフィですか)!
後半では政府に追われている描写もありまして、ますますワンピースっぽいです。
ワンピースのファンであれば、きっとハマること請け合い?

フィリップ・シーモア・ホフマンもカウント(伯爵)というDJ役なのですが、これがまたとっても格好良くてシビれます。
リス・エヴァンスとの『DJ対決』も見どころでした。












原題:Jane Eyre 2011年 アメリカ 120分

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ 脚本:モイラ・バフィーニ
出演:ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダー、ジェイミー・ベル、サリー・ホーキンス、ホリデイ・グレインジャー、
タムジン・マーチャント、イモージェン・プーツ、ジュディ・デンチ


●概要・ストーリー(映画.comより)
これまでにも繰り返し映像化されてきたシャーロット・ブロンテの不朽の名作を、「アリス・イン・ワンダーランド」「永遠の僕たち」のミア・ワシコウスカ主演で映画化。監督は、長編デビュー作「闇の列車、光の旅」(2009)が高い評価を受けた日系米国人のキャリー・ジョージ・フクナガ。悲惨な子ども時代を過ごした孤児のジェーン・エアは、教師の資格を取り、ソーンフィールドという屋敷で住み込みの家庭教師の職を得る。晴れて新しい生活を手したジェーンは、屋敷の主人ロチェスターと恋に落ちていくが、ロチェスターにはある秘密があった……

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古典的ラブストーリー

色々あった子ども時代を経て家庭教師になったジェーン(ミア・ワシコウスカ)が、
住み込み先のお屋敷でご主人様(マイケル・ファスベンダー)と相思相愛になるも、
こっちはこっちで色々あって…というお話です、簡単に言うと。(←いや、何の説明にもなってないです)

原作は有名な小説で、これまでに何度も映像化されているというこの作品。
毎度のことながら、原作を読んだこともなければ過去作も一度も観たことないという、完全なるビギナー状態。
こういう時に、なんだか落ち込むんですよね~。「なんも知らん自分」と…。
過去作品と比較したりできないしさ~。

監督のキャリー・ジョージ・フクナガさんは、お名前の通り日系の方なんですねー。
写真を見たら、意外と若くて驚きました。
しかも、まるでショップ店員のようにお洒落でかっこいい!

冒頭は、ジェーンさんが泣きながらお屋敷を飛び出してくるシーン。
そしてそのまま荒野を彷徨うジェーンさん。
雨も降ってきちゃうし、どうすんのー!?と、一気に画面に惹き付けられます。

全体的にいたって地味めのストーリーなんですが、とにかくミア・ワシコウスカに魅せられる。
佇まいが美しいんですよねー。物憂げな表情にも、ドキッとさせられました。
ミア・ワシコウスカって、時代物でも現代物でも、どっちでもハマる気がするー。
メイクはいつも同じようにナチュラルなかんじなのに。

一方のご主人様は、あまり魅力的ではなかったです。
あくまでも個人的な意見ですが。
マイケル・ファスベンダーがそこまで好きじゃないからか?

ジェーンもご主人様も何を考えているのかよくわからんキャラクターなので、
二人がいつの間にか両想いになってたのが、ちょっと不思議でした。
夏休みが明けたら、同じ仲良しグループの男女が、自分の知らないところでいつの間にかくっついてた
みたいな印象でした。