朝から美容クリニック。
こう聞くと、どこか余裕のある優雅な響きがあるけれど、現実は「もう間に合わない!」と焦ってタクシーをつかまえる慌ただしさ。
ギリギリ間に合う!と思っていたのに、クリニックから電話がかかってきた。
「本日10時からご予約が入っておりますが、今こちらに向かわれてるところですか?」
時計を見ると10時10分。
あれ、10時20分でなかった?
やっちまった。
どうやら、私の入力ミス。
10時だったよ。
結果的には「急いでます!」の勢いそのままに滑り込みセーフ。
無事に予定していた施術と、その2週間後に予定していた施術までまとめて受けさせていただくという、ちゃっかりフルコース状態に。

思えば、美容課金、この2年はだいぶ手控えていた。でもそろそろ限界かもしれないと思い、昨年末からまた通い始めた。
だって50歳。
自力の底力では、すでに自然界の重力と代謝と戦えないフェーズに突入しているのだ。
“どこまでこだわるか”と“どこまで諦められるか”のせめぎあいは、毎朝鏡の前での静かなデスマッチ。
肌の艶と毛穴の影、シミとコンシーラーの持久戦。もはやこれは、日々の感性と投資判断のバランスゲームだ。
さて、そんな美容三昧のあとのお昼は、銀座三越で買ってきた「たじま」の贅沢巻き。
テストの成績が良かった息子の塾前ごはんも。
帰宅して13時半、ようやくの一口目。
「やっと帰ってきた...」という達成感と、「あ、美味しい...」という満たされ感の同時着地。
夕方の塾前、息子にも手渡すと、それはそれは幸せそうな顔で頬張っていた。
「ママ、これ、また買ってきてね!」
ああ、そういう顔を見ると、こっちまで満たされる。胃袋より、心がいっぱいになる感じ。
クリニックで整えた肌と、お弁当を頬張る息子の幸せそうな顔。
どちらも、私をちゃんと元気にしてくれるエネルギー源。