10年くらい前のこと。
破綻した会社から、日系証券会社に移った頃
一緒に仕事をするようになった上司がいました。
サンローランやグッチのスーツを格好よく着こなすその女性は
ちょうど今の私くらいの年齢。
とても厳しい上司で、最初は泣きそうになっていた私ですが
次第に仲良くなり、プライベートでも頻繁に出掛けるように。
金曜の夜、オークドアで食事をしていた時
彼女が言った言葉は今でも忘れません。
子供を持つって怖い事よ
当時の私には、この言葉の意味が分かりませんでした。
(余談ですが、彼女に高校生の子供がいると知った時は
同僚の誰もが衝撃を受けました。私も同じく。
綺麗で仕事ができて、生活感を全く感じさせない人。
世の中には、こういう人がいるんですね。)
でも今なら分かります。
もし、息子が事故や犯罪に巻き込まれたら…
もし、息子が重い病気に罹ったら…
もし、息子が犯罪を犯したら…
もし、息子がいなくなったら…
もし、…
そんなことを考えると、怖くなります。
自分より大切な存在ができるってこういう事。
幸せであると同時に、怖さもあるのです。
でも、その怖さが母を強くもするのだと思います。
母として出来ることは
愛情を注ぐこと
教育をすること
そして、信じること。
毎日、時間を見つけては
僅か1、2m先にいる息子に集合を掛けます。笑
膝に座らせて、ハグして、ほっぺにチューして
私にとって息子がどんなに大切な存在かを伝えるのです。
いつまでもこんな幸せが続きますように、と願って。