職務質問。
これは僕にとっての人生のテーマとなりそうです。
警察の方も仕事でしてらっしゃるので日本国民として速やかに協力する事が義務と心得ております。
当たり前。
警察の方に抵抗するなんてもっての他でございます。
なので以前職務質問されて
「兄さん、ヌンチャクとかトンファーとか持ってんじゃないのー?」
と半笑いで言われた時は脳内の血管がビキビキ音を立てましたが
「持ってませんよ~普通ナイフとかでしょ~」
と和んだ空気を無理から醸しだしたものです。
しかし今日また新たな職務質問が来たのです。
「あ、すいません。ちょっとだけ止まってもらえます?」
丁寧な警察官である。メガネかけてて大柄。
嫌いではない。これは協力しないと。
「はい?なんでしょう?」
努めて笑顔。
あなたにお腹を見せますよ、と仰向けになる犬の如く平和を願う顔で。
「あの…」
もじもじしている。
わかるよ。職務質問しようとしたら相手が思いの外ええ奴やったんで職務質問した事自体後悔してるんでしょう。
いいよ。
不審な奴がいたら声をかける。これで日本の平和が保たれる。僕は理解しているさ。
早く言いな。「荷物見せてもらっていいですか?」だろ?何も変な物は入ってないさ。数十秒で済む。どうぞ。
「あの…あの…右翼の人じゃないですよね?」
真っ白になった。
お腹の辺り冷たく感じた。
おデコ裂けた。
「いや違いますけど…」
「ですよね!?すいません!鞄が迷彩だったので!すいません!」
鞄が迷彩?それだけでその扱いになるのかい?嘘だろ?
L.L.Beanというアウトドアノンポリピースブランド捕まえてよく言えたもんだ。
「はい!では大丈夫です!どうぞお気をつけて!」
ちょっと待ってくれ。荷物見ないのかい?
貴方が一番怪しんだこの鞄見ないのかい?いいのかい?
ふざけた野郎め。どこをどう見てそう言ったんだ。
そうしてウィンドウに映った自分を見た。
晩年の三島由紀夫憧れの人ですよね?
ガチやん!!
あの警察官しっかりと仕事してるやん!!
お疲れ様です!悪態ついてゴメンなさい!!
一生緑に緑あわせません!!