今回は、十勝バス本社を訪問してみました。
「見学したい」と願い出たところ、すんなりOKが出た。
都会のバス会社、例えば東急バスとかではそう簡単にはいかないだろう。
今回はたまたまOKしてくれたけど、見学する上での心構えを以下に示す。
①可能な限り、事前に連絡し、見学の目的を告げること。
②当日は写真付き身分証明書を持参し、係員の指示があったら提示すること。その他、係員の指示には絶対従うこと。
③敷地内に立ち入る際、及び出る際は、必ず係員に報告すること。
④バスの運行には十分留意し、邪魔にならないよう心がけること。安全第一である。
⑤みだりにバス車内に立ち入ったり、機器に触れたりしないこと。
⑥敷地内で運転手などとすれ違ったら笑顔で挨拶をし、見学許可を受けている旨を伝えること。
⑦敷地内に立ち入りが許可されない場合、路上から撮影する者たまにいるが、係員の制止があったらすみやかに撮影を中止すること。
⑧係員から知りえた情報のうち、非公開のものについては、みだりに口外しないこと。
⑨バス会社の業務に支障をきたさぬよう、一社会人として適正な言動を心がけること。
昨今、鉄道界ではマニアが線路内に立ち入り、警察沙汰となる事件があった。
鉄道とバス趣味を兼行している者も少なくない。よってバス会社も今後はファン、マニアへの対応を見直さざるを得なくなる。そんな中、快く許可してくれた十勝バスさんにはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
さて、十勝バスってこんなバスです。
左から、旧々カラー、ラッピング、旧カラー、士幌線代替「とかち夢大陸」。
基本的に日野で統一しているのがこの会社の特徴。

こちらは左から、帯広畜産大学スクール(運行管理)、残り3台は新カラー。

やっぱり自分としては、旧カラーが一番好きです。よくこのカラーが今日まで残っていることは、雑誌でも取り上げられます。

どことなく、国際興業の色違いではないかとも思うんですが、同社との資本関係はありません。
でも、そんなぐらいで驚いてちゃあいけないね。
これを見よ!

日野車が多い中、唯一のいすず車、K-CCM370。ナンバーからして、通称「か6様」とマニアの間では呼ばれています。なんたって、勝バス最古参だからね。
こういうカタチのバスを「モノコック」と言うのですが、おそらく道東ではこれが最後の1台でしょう。
モノコックといえば、他に南部バス、岩手県交通、高知県交通、土佐電鉄、そして沖縄の私鉄各社が有名どころです。中でも土佐電鉄はモノコック車の方向幕はずしてLEDつけてるぐらいだから。
ボクが「か6様」を撮ってたら、整備士の方が声かけてくれて、
「外だけでいいの?」
いやまさかとは思ったけど、中も見せていただきました!

外もかなり塗装のハゲがありましたが、中のシートもかなりくたびれています。昭和56年式だから、仕方がないといえば、仕方がないのでしょう。
運賃箱は普通のレシップ製のもので、金額ごまかし防止のためレバーがついてます。デジタル式運賃表は取り外されています。コミバスだと100円だし、必要もないのでしょう。テープデッキに替え、音声合成です。
そこでせっかくだから、「か6様ヒストリー」。まぁ、あちこちで拾い読みしたのをつなぎ合わせたモノだけどね。
昭和56年に作られたか6様は、自家用の中古として十勝バスにやってきて、当初のナンバーは「帯22あ354」。デビューは定期観光バス。その後は貸切として活躍。
国鉄バスから引き継いだ戸蔦線運行に伴い、路線化改造。戸蔦線の廃止を前に平成11年、登録抹消。某所にて放置プレーされる。
スクラップになるかと思いきや、華々しく復活を遂げた。
大空団地の銭湯が廃止になり、遠くの銭湯に行くためにバスを手頃な値段で貸してほしいと住民から要請があり、適切なクルマはないかと探していたら、しぶとく生き残っているコイツに白羽の矢が立った。
旧々カラーは鮮やかによみがえり、ナンバーも「帯広200か6」を取得、再登録となりました。
その後、幕別町や帯広市のコミュニティバス実験運行に供され、スクールバスとしても運行。
今の役割としては、音更町コミュニティバスのスペア。住宅街の狭い道でも、中型で比較的小回りがきくので、まさに「困った時のか6様」なんだよね。
まさに異端児。異端児なだけに、走行距離も少なく、今日まで活躍しているわけで。だから機関は絶好調!
30年近く走っているバスの部品なんてもうないんじゃないかと思いきや、得意先の日野の整備の者に頼めば、いすゞの純正パーツがいつでも簡単に手に入る。日野といすゞは合併してJバスになったからね。か6様は、間違いなくその恩恵を受けているはずだ。
せっかくだから、他の貸切バスたちと一緒に安置されている「か6様」。

貸切バスのカラーは原則、バスセンターカラー。ライバルの拓殖バスをはじめ、道東地区の私鉄各社と共同で「ひがし北海道貸切バスセンター」を立ち上げ、効率的な配車はもちろんのこと、統一カラーにより会社が違っても同じカラーで揃えられるというメリットがあります。
こちらはブルーリボン。

セレガーラ。

都市間バスは、バスセンターカラーに手を加えたカラーになっています。

都市間バスといえば、最近は黄色1色の新カラーの車両も登場しています。

新カラーは路線から貸切、果ては都市間バスまでひととおりあります。特に路線バスに関しては、旧カラーから塗り替えられた例もあります。
今回は撮ってないんだけど、セレガはもちろん、同じセレガーラでも新カラーとバスセンターカラーがあるのがどうしてかは謎。
新カラーのバスたちに囲まれている緑のマイクロバスが、件の音更町のコミュニティバス。

十勝バスで唯一のふそう車。ローザっていうんだけど、音更町が選んで十勝バスに管理させているということなので、ふそうもありかと。ただ、十勝バスらしくないね。
で、今は日野ポンチョが導入されたそうで、そうするとこのローザの運命、そして「か6様」の運命やいかに?
ただ、「か6様」には帯広市が新しく運行した南北線・西地区循環線の代車という役目がまわってきました。
さて先程の整備士さんからとある情報を頂いたんだが、まぁそのものズバリをここに書くわけにはいかない。おそらく、今月か来月に、十勝、いや全国のバスファンを震撼させるようなビッグニュースが飛び込んでくるはずだ。まぁ何かはご想像にお任せします。
それはそうと、懲りずに撮影を続けた。
コミュニティバスから一般路線化されたものもあり、それに使われている観光マスクのノンステップバスがこれ。狭い道でもスイスイだ。

思うんだけど、コミュニティバスのほとんどが、計画倒れに終わってるんだよね。
お役所仕事だからか、詰めが甘いというかなんというか。そもそも、「本数が少なすぎて使えない」というのが一番の理由。あとはあるとしたら、周知不足とか。
そしてもう一度旧々カラー。
このバスがデビューしたとき、かっこよすぎて1度乗りたいと思うも、ウチの近くの路線にはなかなか入らないんだよね。のちに同型車が旧カラーで導入されたけど、旧々カラーにこのボディだからいいのであって。

こちらは旧カラー。広尾線代替用として導入されたが、今はスクールバスに使われているとか。

十勝バスの日産ディーゼルスペースアローかと思いきや、これはくしろバスのスーパーホテルラッピング車。

では、今度は市内で撮ったバスたちを。
小さくて見づらいけど、これは新カラーをベースにした喜久屋書店byザ・本屋さんラッピングバス。ちなみにノンステップ。

空港連絡バスも新カラー。ただし、表記が「TOKACHI BUS」ではなく、「OBIHIRO AIRPORT」です。ちなみに関西方面からの中古車らしい。

広尾線代替 南十勝夢街道。

士幌線代替 とかち夢大陸。

他に代替は、池北線代替 Star Lineというのもあるが、残念ながら撮れず。
コイツは京急からの譲渡車。横浜から帯広にやってきたんだなぁ。
特徴、わかりますか?

空港連絡バスも、以前のはバスセンターカラーのアレンジ。

ここからは拓殖バス。やっぱりふそうが大好きですね。


拓殖バスの観光用、旧エアロ。空港連絡バスに転用されています。
ちなみにボクの大好きなやつね。

阿寒バスの旧エアロ。阿寒のホテルの送迎用に使われていました。
バスセンターカラーは同じですが、ちょっとしたアクセントが。
しっかし、この会社は日野入れたりふそう入れたり、まぁなんでもありです。

最後がこれまた阿寒のホテル送迎、北海道ミントバスの新エアロ。スタンダードデッカーでしょうね。

まぁこんな具合に撮ってきましたが、やっぱりボクってオタクかなぁ?