クマクマのブログ
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”2歳でメガネ”

”■人生が変わるメガネ”

『絶歌』を読んで

最初に…
私はこの本を読んで良かった、と思ったひとりです。

ニュースでこの本が発売されることを知って、軽い気持ちで『読んでみたい』と思いました。
だけど、発売後の世間の反応はひどいもので…
『読むべき本ではないのかも』と購入を見合わせていました。

事件当時、私は少年Aと同じ中学生。
犯人逮捕の報道を知った時は大きな衝撃を受けました。
この頃だったか、それ以前からだったかはハッキリ覚えていませんが、心理学に興味を持ち、その後その道へ進みました。

専門を極めているわけではありませんが、事件を起こした時の心境や医療少年院でのこと、そして退院してからどのように暮らし、どのように感じて生きてきたのか。
とても興味がありました。

結局、私は衝動を抑えられず、犯罪に加担でもしているかのような気持ちになりながら、コソコソと本を購入しました。

第一部では、事件前後~医療少年院送致までのことが書かれていました。

動物や人を傷つける描写は想像を絶するもので、吐き気がしました。
思い出したくもないほどに…
この文章を読んで、ご遺族の方々が平常心でいられるハズがない。
ご遺族の方々に寄贈したいだなんて、不愉快にも程があると思いました。

そして所々で『僕はジョーカーを隠し持っている。知りたいか?』と言わんばかりの告白。
ハッキリ言って、腹が立ちました。

元少年Aは最初からこの本を書くために、隠し球を作っていたのではないかと思いました。
そのほうが面白い、とシナリオが出来ていたような気がしてなりません。

第一部を読み終わり、みなさんの酷評通りの本だと思いました。

しかし、第二部では…
私が想像していた以上に、退院した元少年Aには自由が与えられ、社会に溶け込もうと必死に生きようとしている姿が垣間見れました。

そして、家族や親族、サポートしてくれる人々。
それぞれのエピソードやその人たちへの想いを読んで、何度も泣きそうになりました。

素性が知れそうになって、幾度となく現状の生活が脅かされる怖さは、私が想像するより遥かに大きなダメージを心身共に与えることだと思います。

「自分で蒔いた種」、「自分が過去にどんな罪を犯したのか」。
それで見捨てることもできます。

ただ、本名を公開して本を出版すべきだとか、現在の顔写真を正々堂々と出せ、とか…
それは違うな、とこの本を読んで思いました。

プロフィールを偽り、生きていくこと。
過去の罪を誰にも打ち明けられない苦しさ。
想像するに値しないことかもしれないけれど、どうか想像してみてほしいです。
『孤独』しかありません。

私はこの本を読み終わったあと、なぜ出版したのか、結局真意がわかりませんでした。

・印税でお金を得るため?
・自分の過去の犯罪を本にして、自己満足するため?
・ご遺族の方々に謝罪の意を込めて?
・今まで関わってくれた方々へのお礼のため?

本当のところは元少年Aにしかわからないことなんだろうな、と諦めました。

本を読み終えた今でも、『元少年Aは今はどうしているのだろうか?』と考えてしまいます。
そして、この本を出したことによって、一区切りを付け、自殺でもしてしまうのではないかと心配にもなったりしました。

『元少年Aにしか出来ないことを見つけてほしい』
『もっと命に触れて、いろいろと考えてほしい』

そう考えが辿り着いた時、この本の出版の意図が、自分なりに納得がいく形で見つかったような気がしました。

自分の罪を自慢するでもなく、生のメッセージを届けたかったのだと。
それは加害者である元少年Aにしか出来ないこと。

ただ、文章があまりにもこだわりが強い部分があり過ぎて…
そこら辺が不器用な人なんだろうな、と思ってしまいます。

今回の出版にあたり、ご遺族の方々に許可をとっていなかった、とのこと。
何年かかってでも許可は取るべきだったと思います。

このように強行突破で出版した理由を、もっと明確にしたら世間の反応は違ったのかもしれません。