久しぶりの避難所運営ゲームHUG体験会は、0歳〜小学生のお子さんを持つママさん7人とのゲームでした。

大阪北部地震の翌日というなんとも言えないタイミング。

1ヶ月半前から決まっていたとはいえ、前日はあまり眠れず、参加してくれたみなさんもすでにアンテナが張ってる状態での開催となりました。

7人とも同じコミュニティに属しているので、ほぼ全員顔見知り。

私も日頃から仲良くしてもらっているみなさんなので、とてもやりやすい雰囲気でした。

ゲームの説明をして、いざ開始！

まずは、体育館の通路を決めます。

「コの字じゃ、ここが出られないんじゃない？」

「入り口はここだから、こう引いた方がいいんじゃない？」

全員顔見知りなので、活発な意見交換の末、体育館の通路が出来上がります。

どんどんカードを読んでいきますが、一人一人についてしっかりと話し合って配置していきます。

HUGの適正人数は6〜7人と言われています。

今回はマックスの7人。

どんどん情報を書いて貼り出す人あり。

教室に役割を与えて配置する人あり。

全体を把握する人あり。

明確に役割分担をするわけではなかったのに、自然に必要な作業をやる人が現れて、最大人数だったこともありましたが、ほとんど混乱した状況はなかっように思います。

私もどんどんカードを出したのですが、そのスピードに惑わされることなく、一人一人を大事に検討していたのはすごいなと思いました。

印象的な対応は、

建物一部損壊の人を、別室に一時待機

としていたこと。

避難所で全て受け入れるわけにいかない、という判断を早いうちにして、家に帰れそうな人は一旦別室で待ってもらう、という対応をしていました。

ゲームなので、結局このまま最後まで待機ということで終わりましたが、

○現実には、いつまでも待ってもらえないだろう。

→早く来たのに後から来た人がどんどん入って、文句が出るのではないか？

○帰した人が二次災害に遭ったら、、、

ゲームを見ながら、そんなことをふと考えました。

ゲーム直後の振り返りでは、

すぐに判断するのが難しかった。

名簿や配置図、専門職の人を知っておくなど事前準備の大切さを感じた。

医師、薬剤師、保育士など専門知識のある人を募る必要がある。

配置しっぱなしで、その後のフォローがなかなかできなかった。

→部屋ごとの担当者をつけたらよかった。

トイレ専属担当が早くに必要。

掲示物も、書いて貼り出すだけで本当に伝わるのか？

心も体も辛い状況で、率先した運営や冷静な判断が自分にできる自信がない。

自分の自治会がどうなっているかすごく知りたくなった。

要配慮者を事前に調べておいても、その名簿や資料をいざという時に取りに行けるのか？

ペットが心の支えの人もいるが、やはりまず人間ではないか？

線引きが難しい。

「心地よく過ごしてもらう」というよりは、「命をつなぐ最低限」になる。

子どもも自分も、自分で判断して考える力が必要だと思った。

ゲーム直後なので、避難所運営者目線の反省と自分がどう感じたかという気持ちが混在する振り返りです。

私の体験会では、宿題として

「この混乱した避難所に自分が行くと考えた場合、今、自分にできる備えはなんですか？」

「1週間をめどに、送ってください」

ということ伝えて、いつも終わりにします。

大抵、8割は返信がないです(笑)

私としては、みんな大人ですし、ご自身の中で何かが変わったならそれでいいので「宿題、出てないですよ！」というトレースまではしません。

でも今回は、早速、動いた人が多かったのが一番嬉しかった！

自分にできることを書き出して、被災時のトイレに関する資料を探したり、防災関係の講座に申し込んだり、すぐに動いた人が現れました。

感想を送ってくれた人も多かったですし、「すごく参加してよかったから勧めたい！」と早速周りの人に紹介してくれた人もいました。

私の役割は、防災モチベーションのガソリンスタンド。

あくまでも、自分で調べていく前向きな気持ちを引き出す場所です。

いろんな方の講座でたくさん学ばせていただいていますが、それは有料講座であり、その方が努力して作り上げた「その方オリジナルの講座」です。

だから体験会で情報としてお伝えすることは、市や区が無料で公開している内容や、専門家の方がブログや投稿などで「公開」として発信している内容で、

(この場合は、もちろん「誰の発信している内容か」という出所ははっきりお伝えして、その方からどんなことが学べるか、私がどんなことを学んだかをお話するようにしています。)

有料講座の中で聞いたことはお話しないようにしています。

私がどうやって情報を集めているかとか、こんな講座がためになったということは精一杯お話しますが、知識の部分は必要だと思ったら自分で受講してほしいのです。

今回、そうやって自分で調べ始めてくれた人がいたことがすごくすごく嬉しかったし、やって良かったなと思えた回になりました。

そして、もう一つよかったこと。

講師登録させてもらっているNPO法人フォーラム・アソシエで防災企画を一緒にしている心強い仲間が、保育サポートに入ってくれたこと。

彼女のおかげで、今回はお子さん連れの方にもきてもらうことができました。

こうして、小さな会でも協力してくれる人がいることに改めて感謝。

まだ告知前ですが、NPO法人フォーラム・アソシエでは、夏休み自由研究企画として、小学生親子で参加できる防災ワークショップの開催を予定しています。

担当一同、かなり気合いが入ってます！

決まったらまたご案内しますので、ぜひ親子で参加してほしいなと思っています。

大阪北部地震で犠牲になられた方のご冥福をお祈りします。

お怪我をされた方の1日も早い回復を願って。

被災された方の1日も早い復興を願って。

今、私たちにできる小さな1歩を少しずつ。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

◆レポ◆HUG体験会_2018.06.19