英字紙Daily Starのインターネット版速報によると、昨夜から今朝にかけてのサイクロン被害による死者は、少なくとも425人、負傷者は数千人にのぼるということです。しかし、一方でバゲルハット県内のひとつの郡だけで、200人が行方不明、というニュースもあるので、死者数もこの程度ではすまないのではないかと思われます。一夜にして多くの命が奪われました。


バングラデシュ南西部沿岸地域に広がる世界最大のマングローブ密林地帯、シュンドルボンも大きな被害を受けたと伝えられています。この地域の海老の漁にも大きな影響が出るのではないかと思われます。

サイクロンがボリシャル、クルナ地方の沿岸部を直撃したのは今朝3:00amごろだったとのこと。その後、次第に勢力を弱めて熱帯性低気圧となり、インドのアッサム方面に抜けたとのことですが、この直撃で発電所も被害を受けたらしく、バングラデシュ全域で大停電状態になっているようです。ダッカでも一夜明けて夜7時を過ぎた今もまだ電気は復旧していません。これはかなり時間がかかるのではないか、という気がします。電線があちこち切れた、というレベルの話ではないようです。


私の家が入っているフラットは日没とともにジェネレーターがまた動きだしたので、幸いなことに蛍光灯など多少の電気はついていますが、テレビは見られないので情報を得られるのはインターネットか人との電話だけです。そもそも、全国的な停電のため、バングラデシュ国営放送もすでに3時間ほど放送自体が休止しているようです。


今日は家にこもっていましたが、明日土曜日はちょっと町に出て様子を見てみます。


(ダッカ駐在員 藤岡恵美子)


昨夜から今朝にかけてバングラデシュを直撃した、SIDRと名づけられたサイクロンは、1970年、1991年のサイクロンに匹敵するといわれる相当な規模のものでした。ダッカでも昨夜は窓を押してくる風圧の強さにちょっと怖い思いをするほどでした。コンクリートとサッシの窓で守られたこんなしっかりした家でも大丈夫かな、と思うぐらいなのだから、トタンや竹などでできた家に住む村の人たちはどんなに心細い思いをしているだろう、と思いました。


このサイクロンの暴風でダッカ市内でもあちこちで電線が切れたらしく、昨夜から我が家でも電気が切れ、一夜明け午後3時を過ぎた今でも、いまだに復旧していません。昼過ぎまでジェネレーターが動いて明かりがついていましたが、それも燃料が切れたのか先ほど止まってしまいました。ダッカ事務所でも同じ状況です。電気がこないということは、水をくみ上げるポンプも動かせず、蛇口の水も出なくなってしまうということなので、バケツに水を汲み置いたりしています。


サイクロンの通り道となったボリシャル、クルナ地方では、とくに被害が大きかったようです。ネットニュースなどを見ると、これまでに確認されている死者は、少なくとも250人。まだ全貌が把握できていないので、まだこの数字は増えるでしょう。


今日金曜日は休みなので私も家にいるのですが、先ほどクルナ方面出身のダッカ事務所の雑用係、トゥトゥールと電話で話したところ、彼の実家でも大きな木が2本家の上に倒れ、大変なことになっているとのこと。彼の村では大きな木が軒並み倒れ、かなり死者が出たらしいと言います。彼も村に駆けつけたかったようなのですが、今日はクルナ方面に行くバスなどもぜんぜん動いておらず、行くのをあきらめたと話していました。


シャプラニールの農村の活動地では、各パートナー団体の代表に電話で聞いたところでは、死者や重傷者が出るような被害はないようです。家が壊れるなどの被害は多少出ていると思われますが、まだ状況は把握できていません。ノルシンディでも、マニックゴンジでも、ダッカ同様昨夜から電気は来ていないそうです。いつまで停電が続くのかが気になります。停電が続くと携帯電話の充電もできなくなるので、外部との連絡もしにくくなりますし。

ネットのニュースサイトも電気がないため、ニュース配信に苦労しているようです。被害の全貌がわかってくるのは明日以降になりそうです。


(ダッカ駐在員 藤岡恵美子)


昨日、おとといと相次いでヒアリング、取材の来訪があった。

13日には「支援団体におけるプログラム・オフィサーおよびファンドレイザーの役割や必要な資質」についてのヒアリングとして、日本総合研究所 の方がいらっしゃった。これは、日本の市民活動分野における助成活動において、プログラム・オフィサーとファンドレイザーの養成をする研修プログラムを策定するに当たって、各分野の団体からヒアリングされるというもの。福祉医療機構 (通称WAM)と中央共同募金会 からの委託で、WAMの職員の方も同席された。


助成団体におけるプログラム・オフィサーとNGOのそれとは役割がかなり違うものの、現地活動におけるプログラム・オフィサー(現地スタッフ)の役割や資質についてお話しした。ファンドレイザーについては助成団体でもNGOでも通ずるところは多いと思う。ただ、NGOは団体によってファンドレイズについての「思想」も異なり、企業・団体重視だったり、市民重視だったり、はたまたODA重視だったりするので、それによって担当者の資質や役割も変わってくる。組織運営とファンドレイズの「思想」というテーマはなかなか興味深いところだ。


14日は「のんびる 」という地域活動応援誌の取材。これは、パルシステム生活協同組合連合会 の会員誌で、地域の会員が地域活動をする際のさまざまなヒントが載せられている。今回は、「ご近所でできる国際貢献」がテーマで、いま、世界のために地域でできることをお話した。国際協力というとどうしても現地に行って現場に入るというイメージだが、シャプラニールは身近にできる海外協力として、フェアトレード(クラフトリンク )やリユース・リサイクル(ステナイ生活 )を提案している。


パルシステムに加わっている生協としては、ドゥコープ さんから「Do!平和募金」やステナイ生活でのご協力をいただいたり、コープやまなし さんではフェアトレード商品を扱ってくださっている。地域で女性たちが公益のことに取り組む動きはどんどん増えている。生協とNPOとの協働もよく聞かれるようになっている。シャプラニールも地域に根ざした海外協力として今後もこの形を進めていきたい。


(東京事務局長 坂口和隆)