今ではダイエットコーチなんか
している私であるが、
20歳の頃は、人生最大級に太っていた。

身長175㎝を超える
ただでさえ大きな身体が
横にもかさを増していたのだ



何よりも一番恐ろしいのは、
自分が太っていることの自覚が
まるでなかったこと

小さい頃から太っていたのかといえば
そうではなく、むしろその逆。

ガリガリだった。


小学生の時には男子から
「ホネホネロック💀」という
奇妙なあだ名までつけられていた。


そんなガリ子がなぜ、
巨大化してしまったのか。





ストレス太りだ




私は高校を卒業してすぐに就職した。
就職先は化粧品メーカー。

華の美容部員だ。

どこのメーカーかは、
そのメーカーの名誉(?)に関わるので
伏せておく。
1つ言うならば国内最大手メーカー。
これでお察しいただきたい。



化粧品の美容部員なんて、
綺麗し華やかだし羨ましいねぇ

なんて、言われてたけれど、
そんなもんじゃない。

入社してから2ヶ月間の厳しい研修。
その支店で入社した新人部員の3分の1が
研修終了を待たずして退職。

店に配属になってからも、
上下関係や、数字、
客の理不尽なクレームと
つい最近までのんきな高校生活を送っていた
田舎者の私は、精神的に崩れていったのだ。

ついに、
ストレスを食べることで解消しようとする
女性特有の行動に走り、
私はみるみる太りだしていった。


けれど、毎日自分の姿を見ているせいか
太りだしていく自分に
全く気づいていなかった。

しかも、ベリーショートにしたことで、
タカラヅカ風になったと
うっとりしていた私は、
相当痛かったに違いない。

全身鏡を部屋に置いておきながら、
客観的に見ることが出来なければ
肥満防止の意味がない。







ある日、私はスーパーのトイレに行った。
一番手前のトイレに入ろうとした時
後ろから誰か入ってくる気配があった。

「わっ!えっ?」

と驚く女性の声を聞き振り向くと、
そこには誰もいない。

おかしいなと思いつつも、
用を足してトイレから出ていった。

トイレを出たところに、
警備員と女性が何やら話をしていた

「トイレにおっきい
太ったおじさん○△%$#」

そんな会話の側を気にせず
私は二人のすぐ横のエスカレーターを
下りていった。

ふと頭を上げると、
さっきいた警備員と女性が
上から私の顔を覗きこむように見ていた。


「…… 」

0.1秒で察知した。





女子トイレの太ったおじさんとは

私のことだった


長身でショートヘア、
ジーンズを履いた後ろ姿を見ただけで
私は、年齢も性別までも超えて
「デブ」と言われたのだ


しかも、それだけではない。

日中、堂々と女子トイレ入り込んだ
「痴漢」にさえ思われたのだ。







その女子トイレにいた太ったおじさんとは
いうのはこの人だ


もう一度言うが、この人は20歳だ。
こんな20歳がいるのか。

そして、こんなおじさんが
化粧品カウンターに立ってていいのか。

こんなことになる前に、
誰か止める人はいなかったのか。



会うたびに太っていこうとも、
他人は指摘してくれない。

自ら太ったと言っても
「そんなことないよ~」
という。

女子は特に。


はっきり言ってくれるのは身内だけ。
だけど、ありがたい身内の言葉は
全く聞かない、
気にしない。

他人に指摘されなければ
行動を起こさないのである。




女性たちよ

友人が隣でブクブク太っていくのを
ほおっておいていいのか?


太り続ける友人を見て
心なしか安心してはいないだろうか?


「おデブは伝染する」

という言葉を
聞いたことがあるか?


自分のためにも、
友人のためにも
はっきり言ってあげた方がいい


結局のところ
おデブの進行を止めるのは
女友達でしかないのだ




ボディメイクコーディネーターYoko