人類の月面着陸はなかったろう論。
というトンデモ本がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4GA1WV/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
まあ、これは単なるトンデモ本に過ぎないが
似たような理屈に
慰安婦に廃業の自由がなかったろう論。
というのがある。
ネットでよく使われてるこれは、
要するに言葉遊びに過ぎない。
ひとつ前に示した軍規則に
>第十三条 営業者及稼業婦にして廃業せんとするときは所轄地方長官に願出許可を受くべし。
という部分があって、
『許可』
という一点をもって、
じゃあ軍が許可しなければ、慰安婦は廃業できないじゃないか
軍は強制的につれてきたんだから、慰安婦を辞めさせるはずはない
と、言葉にすればそういう話をしてくる人がいるわけだ。
しかし、何度も書いてるけど、慰安所管理人の手記という一次史料によって
慰安婦が廃業できてることは確定してしまっている。
そうなると、彼らはこの『許可』が、いかにも特殊なもので
例外的なものであるかのように言ってくるわけだ。
しかし。
やっぱり、廃業をしようとして軍に許可されなかった事例を
ネット議論で出せた人はいない。
『許可』がまずでなかった、というのは、彼らの脳内以外に証拠がないのだ。
この話の突破口は、この文面にある。
>第十三条 営業者及稼業婦にして廃業せんとするときは所轄地方長官に願出許可を受くべし。
『営業者及稼業婦』が、廃業する時の規定なのだ。
つまり、これは、慰安婦だけを狙い撃ちにした規則ではない。
軍の娯楽施設である慰安所で働く人間全てに対して、廃業時には許可が必要ということだ。
娯楽施設の営業者まで、軍が奴隷状態にしてたと言い張る人はいない。
だから、これは慰安婦の廃業を阻むものというよりは、
廃業して軍の施設から出ていく場合には、誰もが許可を受けるという意味のものという事になる。
考えてみれば当たり前で
そこは戦地であり、軍の施設であり、
日本軍相手に攻撃してくる敵や反日ゲリラ、そしてそのスパイなどに囲まれてるわけだ。
軍施設内部の人間に対して、防諜や保護などの対策を施すのは当たり前で
特に人の出入りには、許可性にしてセキュリティーを万全にする必要があるということだ。
この許可とは、要するに戦地の軍事施設に特有のものであって
別段、慰安婦から廃業の自由を奪うものではないということだ。
誰でも自由に出ることができます。
但し、この台帳に書いて外出許可を得てくださいね。
そういう話に過ぎんという事だ。
この『許可』をネタに、慰安婦に廃業の自由がなかった、なんて主張をするのは
単なる言葉遊びの域を出ないということ。
廃業の自由がなかったと言い張りたいなら
廃業を望んで、軍が正当な理由なく廃業を認めなかったと言う史料をだして初めてそれができる。
言葉遊びで、自由がなかったなんて主張はできんと理解しておけばいい。