前回の更新からかなり期間が空いてしまいました。申し訳ございません。
さて、惣菜店で起業した私の知人女性Mさん(46歳)が事業に失敗したお話の続きです。
もう一度、彼女のオープンから廃業までの経過をおさらいしましょう。
1、Mさん(女性46歳)は、料理が好きでいつかお店をしたいと考えてました。
2、たまたま空いている店舗を見つけました。賃料はかなり安かったです。
3、長年の夢である惣菜屋さんを開店しました。趣味の料理を仕事に出来るのが何よりの幸せでした。しかし、商圏のリサーチなど一切行わなかったのです。周りの友人の「絶対成功するよ!」、「Mちゃんの料理美味しいもん!」、「毎日買いに行く!」のセリフに乗せられて、その気になってしまいました。
4、事業計画も簡単なものでした。お客単価500円と勝手な計算をして、毎日買ってくれると言ってくれた友人や知り合いの主婦の数をそれに掛けただけのものでした。
5、計算上、売上は1日で2万円入る予定で、家賃や光熱費も十分賄うことが出来る額です。
でも結果は、さんざんたるものでした。
では、Mさんの店が潰れた原因を僕なりに分析していきましょう。
潰れた原因① 業種の選定が甘かった。好きな事が仕事になるとは限らない!
今回はまず、「1、Mさん(女性46歳)は、料理が好きでいつかお店をしたいと考えてました」から分析していきましょうね。
彼女から「飲食店をやりたい」と聞いた時、僕は素直に応援しました。
しかし、彼女からその適当な事業計画を聞いた時、起業を中止するか、再度、計画を練るように促したのですが、心がウキウキした状態の彼女をストップさせることは出来ませんでした。
好きな事を仕事にするのは一見、夢があり、素晴らしい事のように思えます。僕もそう思います。好きな事でお金を稼げて食べていける。これに越したことはありません。
しかし、これは中々困難を極める選択です。「いつか成功する!」と頑張り続けても成功する保証はありませんし、高齢になってから成就したとしてもあまり意味がありません。何しろ若いうちに必要な住宅ローン費用や子供に掛かる費用などをしっかり作り出すことに意味があるのですから。
Mさんは、儲かる仕組みを考えることなく、ただ単に「好きな事」で起業することに執着してしまいました。
事業に必要なのは、1に売上、2に売上です。好きかどうかはそのあとです。
・この事業で利益を確保するシステムを構築できるのか?
・自分の料理は本当に美味しいのか(実力はあるのか)?
・毎日大量の料理を作る体力やシステムはあるのか?
・段取りをうまく処理する能力が自分にあるのか?
・それ以外の仕事も全て自分一人でこなすことが出来るのか?
・人を雇った場合は、経費はどれくらいかかるのか?
などの具体的な問題を考えずにいました(クリアしないといけない問題は、まだまだ沢山あります)。
これら基本的な事を熟考せずに起業するのは大間違いです。起業を中止するか他の業種に移行すべきです。
野球選手を例に考えてみましょう。現在、高校や大学で野球をしている皆さんは、幼少の頃から地元の野球チームに入ったり、中学校の野球部に属していたと推測します。皆、野球が好きで、将来はプロになることを夢見ているでしょう。
しかし、「好き=プロになれる」という方程式は存在しません。
なので、賢い高校生や大学生は、以下のような人生の戦略(人生の事業計画)を考え始めます。
1、プロ野球選手になれる確率はどれくらいか?→試合に出れる人数は決まっています。
2、自分の野球のレベルは?→最低限のレベルに達している必要性があるでしょう。
3、身長・体重は通用するか?→持って生まれた体格はスポーツには重要です。
4、年齢は?→プロのレベルに到達できたとして、その時の年齢はいくつなのか?アスリート年齢は短いです。
5、文武両道が達成できている場合→野球以外の道を模索できないか?
そして、自分自身を分析し、プロになれる確率をはじき出した結果、その確率が低い場合は、好きな野球に「前向き」なサヨナラをして、自分の人生の計画を遂行していくのです。サラリーマンになるもよし、体育教師になるもよし、起業するもよしです。
要は、今すべき事と出来る事を洗い出し、それを実行に移すのです。
周りの友人や彼女、お気に入りの歌手は「夢をあきらめないで!」、「あなたなら出来るよ!」などと煽ってきますが、そこには何の信憑性もありません。
試しに、「もし、死ぬほど頑張ってもプロ野球選手になれなかったら責任取ってくれる?」と訊ねて下さい。答えは明らかです。自分の能力や人生(事業)計画を冷静に見つめることが必要です。子供や配偶者がいれば尚更です。人生は一度しかないから失敗出来ないのです。
どうしても自分の好きな事を仕事にしたいと思うのであれば、先ず、起こりうる諸々の問題を出来る限り洗い出してください。そして、
1、自分でそれらの問題をクリアできるか?出来ない場合は、他の事業を考える。
2、クリア出来る場合は、そのために必要な物事(金・人など)を洗い出す。
3、それらを調達する。
「考えるよりまず行動!」と意気揚々な人をたまに見かけますが、危険です。
諸々の問題や不安を消して行く作業こそ、僕が考える「攻撃的理論思考」です。
それでは、長々と失礼しました。
次回は、Mさんが失敗した原因その②「悪い店舗を借りてしまった」を執筆いたします。