早朝からばかばかしい別れ話に付き合わされて
どうにも気分が乗らない一日が過ぎた
家に戻ってメールをチェックすると
早朝の電話以降にMICAさんとフレッドが交わした
メールが全て転送されてきていた
―何を考えているのだ、この男は・・・
―
しかも日本語ローマ字書きスタイル・・・読みにくい
from MICA to フレッド
“あなたに騙された・・・(>_<)
`信じて’って言ったから任せたのに
SPICYのこと好きになった ―あなたを愛してないだけだ―
私ブス、SPICYみたいな
汚い人間になりたくないから・・・―私はブスにはなりたくない・・・―
それでもSPICYのこと好きですね、OK、さよなら
ずっとSPICYに騙され続けてください
もう知りません ―いいえ、騙され続けたのはあなただ―
嘘付き同士でお似合いですよがんばって
私を変えてくれてありがとう、感謝してます
仕事に戻ります、もうメールもいりません”
日本語に直しても何が言いたいのか分からないし
フレッドの言うとおり少々面倒な女だ
そして、それに対するフレッドの返信は
from フレッド to MICA & SPICY
“MICAと出会う前、僕の心は全てSPICYにあった
僕を嫌わないでください ―勝手なことを言うな―
MICAが僕に抱くのと同じ気持ちをSPICYに抱いている
僕はSPICYに夢中なんだ
本当に本当にごめんなさい
僕は誰かの心を傷つけるつもりはない ―もう遅いよ―
SPICYが僕との関係を突然切ったことは分かっている
それでも僕はまだSPICYを愛しているんだ
きみたち二人がこの問題を解決できる ―なんで!?あんたの仕事でしょ―
SPICY、お願いだからMICAに僕を理解させてくれ
僕は悪い人間ではないし ―いや、100%悪い人間だ―
本物の愛を分かっている ―それは本当、だからMICAと別れたいのだから―”
自分が何を言っているのか分かっているのか
悪者はあんた一人で十分だ・・・
それをどうして私がMICAさんにフレッドは悪くないと
理解させなければならない・・・大笑いだ
おまけにMICAさんと私の電話番号を書いて
二人で解決してくれだ・・・情けない男だ
さすがにここまで言われたらもうMICAさんからの
返信はないだろうと思ったが・・・・・まだあった
from MICA to フレッド
“私SPICYと話すことありません ―私にも全くない―
嘘付きは好きじゃない、関わりたくない ―ありがとう―
私今日から大事な仕事って言ったのに―両立できないなら恋愛するな―
なんでまた、あなたおかしくなった?―またじゃなくてもともとだ―
もういらない、時間が必要です
―どっちだよ
―”
その数分後、彼女は気が変わったらしい・・・
from MICA to フレッド
“やっぱり・・・
仕事終わったら連絡します 待っててください”
―?????はっきりしない女だ、やっぱりだって・・・超格好悪い―
少なくとも私の知人友人の中には自分をブスと言ったり
“もういい・・・やっぱり”タイプはいないので理解不能だ
それを読み終えた頃フレッド(F)から電話があった
F「ほら、言った通りだろ
しつこい女なんだよ、MICAは・・・」
「あなたが私にしつこいのと同じでしょう・・・
」
F「全然違うよ
僕はハンサムだろ?
美男美女が愛を貫いているのは素晴らしいことだ
・・・・でも彼女は違う ―おめでたいヤツ(-。-;)―」
「・・・・・言いたいことがわからないわ
私このタイプの女性は苦手なのよ・・・知ってるでしょ
それにしても厄介なのを捕まえたわね」
F「うん・・・便利だったんだけどね」
そんな非道な会話をしているとMICAさんから電話が入った
フレッドは三者通話にすると言いながら
私には何も聞こえなかった・・・逃げた???
多分何らかの前置きをしているのかSKYPEの調子が悪いのか
そのうちやっとフレッドの声が聞こえた
F「なんで何も話さないんだSPICY」
「何も聞こえていないからよ
」
そしてあれこれする間にやっと三者通話状態になり
F「どうぞ、話してください」 ―なんであんたが観客になる???―
初めて話す相手なのにMICAさん(M)は喧嘩腰だ
どんな状況でも挨拶ぐらいしろ
だから余裕のない女は大嫌いだ
M「あなたフレッドを騙しているでしょ、消えてよ
私たち今幸せなの・・・邪魔しないで」
「あら?私がいつ邪魔をしたかしら?(^~^)」
M「なんで彼に電話したりするの?」
「まあ、あなた大きな勘違いをしているようね・・・
私はここ一年以上一度も電話していないわよ」
M「そんなのウソでしょ」
「あなたの大切な彼に聞いてみたらいかが
」
M「・・・・・・・・・・・・・ ―???なぜか聞かない―
フレッドがVISAを取得するときも大使館に電話した!」
「
わざわざそんな面倒なこと誰がするものですか
私個人の電話だけで大使館が発給取消をすると思う?
(;´▽`A``私にはそんな力はないわよ」
M「・・・そんなのできるでしょ・・きっと ―世間知らずもはなはだしい―
それにあなた私のブログのメールに送ったでしょ
あなたの名前も写真もあるから
私は何でもできる 営業妨害で訴えることもできる」
―私に対するその言い方は1000年早い―
「あなた私を脅す気?誰に向かって口聞いてるのよ
ではどんな営業妨害をしたか具体的に教えていただける?」
M「・・・・・長いメール
送ったでしょ?
あのブログ仕事で使ってるから・・・」
―それで?終わり!?な~んだ喧嘩は得意なのに・・・(  ̄っ ̄)―
「ええ、3・4回ね
そしてあなたは身に覚えがないと受信拒否したでしょ
それから私はあなたに何かしたかしら?
それが営業妨害だと思うなら訴えなさい
それに私はこんな低レベルな出来事を
誰にも話してないからご安心くださいな
」
M「でもフレッドに私の悪口言ったし
彼はあなたが何をするか分からないから気をつけろと
いつも私に言ってるもん ―・・・それで?―」
「フレッド、フレッド、
あなた聞いてる?
私一度でもMICAさんの悪口言ったかしら?」
ずっと黙って聞いているだけだった情けない男は
やっとここで口を開いた
F「NO・・・SPICYはMICAを“NICE PERSON”と言ったよ」
いわゆる三角関係で男に相手の女の悪口を言うほど
私は落ちぶれていないし自分に自信を持っている
「MICAさん、これで納得できたかしら?」
M「何言ってるの? ―あなたが何を言っている?―
とにかくあなたはフレッドを幸せにできない
私は彼を幸せにできる」
「いやだわ、ドラマみたいなこと言ってる
(大笑)
じゃあ・・・私が幸せにできなかったら
その時にのしをつけてあなたにお返しする
っていうのはどうかしら?いい考えでしょ
」
M「何言っちゃってるの?
どれだけ彼を傷つけたの?
なんでこんないい人を騙すの?」
―いい人?この女、フレッドと何度寝たか知らないけど
全く彼の本性に気が付いていなかったのだ―
私は思わずマイクをミュートにしてお腹の底から笑った(≧▽≦)
「フレッド?あなたの問題でしょ、何か言いなさい
」
F「・・・とにかくさ、MICA本当にごめん
きみの僕に対する気持ちと同じものを
僕はSPICYに抱いているんだ
お願いだから分かってくれ」
M「えっ?それって私とは終わりってこと・・・・・・?」
―やっと気が付いたの??????―
F「今まで何を話してきたんですか(・・・キレた)」
「hahahahahahahahaha
(大笑いした)」
M「・・・・・・とにかく二人で話がしたい
SPICYに消えてもらってよ」
F「僕は三人でこの会話を終わりたいんだ
」
「フレッド、それは無理よ
いいわ、私は失礼するわ
でもねフレッド、あなたMICAさんにはっきり言うべきよ
“きみを愛していないって”
そうしなければ、このばかばかしいストーリ
いつまでも続くわ・・・じゃあね、MICAさん
」
そう言い残して私は通話から退席した
10分後、フレッドは再び電話をしてきた
F「Hi! SPICY
You had a good job! Thank you so much
やっぱりきみは頭がいいし素晴らしいよ
やっとMICAと終わりにできたよ
それにきみが邪魔をしたせいで別れなくてはならないと
彼女は本気で思っているよ」
―ちょ・ちょ・ちょっと待って
私が一番の悪者ってこと? まあいいや―
「あなたに貸しができたわ
、フレッド
それにしてもあなたひどい男ね」
F「だって・・・愛してないとかっていう問題じゃない
生理的に受け付けないんだ
、ああいう女
それにもう利用価値もないしさ」
「あなた正直者ね
でも私がMICAさんだったらあなたを殺すわ
あなただって何度私を殺そうとした?」
F「その話はやめてくれよ・・・
それはそうと・・・あ~あ、スッキリした
ありがとう 愛してるよSPICY」
その台詞を聞いたとき
“私はいいことをしたのだ”と思ってしまった
フレッドにではない、MICAさんにだ
―自己防衛本能による正当化といわれたらそれまでだ―
だって・・・こんな極悪非道な男を
MICAさんは“いい人”と言ったのだ
大地がひっくり返るほどの間違いに気付いていない
今は相当ショックを受けて傷ついているかもしれない
私を恨むことでいつかそれが消えるならそれでいい
フレッドごときに騙され続けて
魂をすり減らすのはもったいない
そうしてフレッドと私は悪党同志のような関係になった
・・・私にMICAさんと別れるための
協力を求めたフレッドの真意は不明だった
私をいまだに愛していることは間違いない・・・
しかし・・・寄りを戻せないことは理解している
ただ単にMICAさんと別れたくて私を利用したのか
ほかに彼女ができて身辺整理をしたかったのか
娘たちの情報によれば・・・
その両方の理由だったようだ
そのためにフレッドは今、アメリカ国籍取得を試みている
今度こそ彼が幸せになってくれることを祈っている
世の中・・・
時間の経過によって解決されることはたくさんある
とくに人の心の問題は時間とともに移り変わる