不安な童話/恩田陸
著者: 恩田 陸
タイトル: 不安な童話
某ギタリストさんが、恩田さんを最近お好みらしいので読んでみました。
寝られない・・・。
ホラーは勿論、ミステリー、サスペンス、等等・・・
やっぱり読めないということが改めて判りました。
いや、この作品は全然怖くなく、面白いと思うんですが。
私の想像力と肝の小ささが問題なわけですね。怖がりなわけですね。
抽象的だと思っていた表紙が、読んだ後改めてみてみると、
「ぅわっ」って言ってしまいました。ドキドキしました。
今日はドキドキしないのを読みます。
シュガータイム/小川洋子
著者: 小川 洋子
タイトル: シュガータイム
奇妙な日記。
その日食べた物が延々と書き綴られている。
そんな冒頭を読んだとたん、この本に一気に引き込まれました。
というのも、私自身が、恐ろしい量を食べてしまう傾向があるから。
でも私とは全く違いました。
確かに食べることで頭が一杯になると、過食のそれと同じ気持ちになるようです。
でも、彼女は気分が悪くならないし、吐きもしない。
体型も体重もベストのまま変わらない。
大好きなスーパーマーケットへ行き、隅から隅までゆっくりとまわり、
買い物篭を一杯にする。
食べ物の描写が細部にわたってされており、
食べ物ではなく奇妙な生き物のように思えてしまいます。
それでも物語は淡々と進んでゆきます。
食べ物はどんどん消化されてゆきます。
It(それ)と呼ばれた子/デイヴ・ペルサー
著者: デイヴ ペルザー, Dave Pelzer, 田栗 美奈子
タイトル: “It”(それ)と呼ばれた子 幼年期
予約が入って強制返却だったり、貸し出し中だったり、
ずっと読みそびれていましたが、やっと幼年編を読みました。
何というか、う~ん。すべて著者が体験したことだと思うと。
体中が痛くなって吐き気がしました。
そして改めて思うのです。私は幸せなんだと。
こう書いてしまうと、全くの他人事(そのとおり)ですが。
そう思うことで、ひとにやさしく接することができる気がするのです。
密やかな結晶/小川洋子
著者: 小川 洋子
タイトル: 密やかな結晶
消失が起こった日の朝は、すぐそれとわかります。
空気がざらついていて、島中が静かなざわめきに包まれています。
ある日目覚めたら、「何か」が消失している。
昨日まで読んでいた小説。
これは、何だろう。
「小説、だよ。君が大好きな」
「ショウ、セツ?」
その島から、何かが消えてゆく。ひとつひとつ。
次に消えるのは?
何が消えてもおかしくない。
小説を書いている「私」は思う。「もし言葉が消失したら?」
そして、この体にもいつか訪れる、消失。
切なすぎて、悲しすぎて。
放課後の図書室で、顔を涙だらけにして読んでいました。
カルプス・アルピス/嶽本野ばら
著者: 嶽本 野ばら
タイトル: カルプス・アルピス
何とも不思議な名の、野ばらちゃん最新刊。
もともとは、「カルピス・アルプス」で刊行する筈だったとか。
登録商標使っちゃだめだって言われちゃったそうです、野ばらちゃん。
今「Itと呼ばれた子」読んでるんですが、ヘビィなので息抜きに。
彼の独特の世界観は、時にどろどろしていて重く、時に暖かく軽やか。
今回の作品は、6章から成る比較的短いラブストーリーで、
涙しながら読んでいました。
今までの作品は、直接的でリアルな描写が多く、
時には吐き気を催してしまうほどだったのですが、
幻想的で、暖かく迎え入れてくれて、純粋に涙して、少し切なくなる。
そんな野ばらちゃんの新しい世界を知ることができました。
彼の作品を呼んだことがない人でも、これなら入りやすいかも。
他には「下妻物語」などもお勧めです。本人も「大衆向けの作品」と語っているほどです(^^;)
では、また本の世界にもどります。
シーラという子
著者: トリイ・L. ヘイデン, Torey L. Hayden, 入江 真佐子
タイトル: シーラという子―虐待されたある少女の物語
読みました。外国の本ってあんまり好きじゃないんですが、
やっぱり好きじゃなかったです。
いや、作品自体が好きじゃないわけじゃなくて。
どうしても「訳しました!」って文体を抜け出せないし、文化も違うから、
微妙なニュアンスも分からないし・・・
ってなわけでかなり長い間読んでなかったのですが、
目を通しておこうかな、くらいの気持ちで読みました。
内容については知ってる方が多いと思うんで書きませんが。
とてつもなく怖くて悲しくて、泣いてしまった。
感涙、ではなくて。怖くて泣いてしまった。
それから体調がおかしくなってしまい、しばらくこの手の本はやめておこうと決めました。
だんだん子供を育ててゆきにくい、どう育てていいかわからない、
そんな環境が、そんな親たちが増えている今日このごろ。
親になるまでに大人にならなくちゃ。名実共に。
仮面の告白/三島由紀夫
著者: 三島 由紀夫
タイトル: 仮面の告白
を読みました。重い、重い、胃が痛い。
なんだか痛ましくて。
自分の肉体や精神のこと、愛、人間、男、女、
すべてを分析しようとする視線。
これでもかというくらい並べられた知識。
そして彼自身と重ねあわされた、主人公の貧弱な肉体。
あぁ、切ない。
扱った作品一覧 日本の作品
あ
伊集院静 乳房
市川拓司 Separation
糸井重里 言いまつがい
狗飼恭子 冷蔵庫を壊す
上野瞭 アリスの穴の中で
江國香織 東京タワー
小川洋子 密やかな結晶
/シュガータイム/ホテル・アイリス
荻原規子 空色勾玉
奥田英朗 イン・ザ・プール
/泳いで帰れ
/最悪
乙一 失はれる物語
小野不由美 屍鬼
恩田陸 不安な童話
か
景山民夫 遠い海から来たCOO
片山恭一 世界の中心で、愛を叫ぶ
金原ひとみ 蛇にピアス
茅田砂胡 デルフィニア戦記
川上弘美 センセイの鞄
/あるようなないような
/椰子・椰子
木根尚登 夢の木
京極夏彦 姑獲鳥の夏
/どすこい(仮)
さ
斎藤薫 「美人」へのレッスン
さくらももこ ももこのいきもの図鑑
瀬尾まいこ 図書館の神様
瀬名秀明 パラサイト・イヴ
た
嶽本野ばら カルプス・アルピス
/ロリヰタ。
/エミリー
/下妻物語
/鱗姫
/ミシン
谷崎潤一郎 痴人の愛/卍/春琴抄/刺青・秘密
/細雪
辻仁成 アンチノイズ
筒井康隆 農協月へ行く
戸梶圭太 自殺自由法
な
永江朗 恥ずかしい読書
中島らも 空からぎろちん
/人体模型の夜
中野独人 電車男
梨木香歩 西の魔女が死んだ
は
堀内貴和 マリールー、夏
ま
舞城王太郎 好き好き大好き超愛してる。
三島由紀夫 仮面の告白
/不道徳教育講座
三田誠広 いちご同盟
村上春樹 海辺のカフカ
/ノルウェイの森
村上龍 トパーズ
村山由佳 きみのためにできること
/おいしいコーヒーのいれ方
や
唯川恵 人生は一度だけ。
Yoshi Deep Love
吉田萬壱 ハリガネムシ
アンソロジー
外国の作品
デイヴ・ペルサー It(それ)と呼ばれた子
ポール・ストラザーン 90分でわかるデカルト
ダニエル・キイス アルジャーノンに花束を
ルース・ガネット エルマーのぼうけん
ウラジミール・ナブコフ ロリータ